ツール・ド・フランス、第2ステージのチーム・タイムトライアル、盛り上がってますね~! 例によって追いかけ視聴中のA田です。
早いうちにチーム紹介は終えて、レースレポートに着手したいところです。
ところで、チーム・プレゼンテーションの途中に差し込まれたインストゥルメンタルのパフォーマンス、よかったですね。ブリュッセル出身のミュージシャン、ストロマエ(Stromae)の「Alors On Danse」 という曲です。
はい。
チーム・プレゼンテーションを思い出していただいたところで、さっそくいってみましょう。
前編はこちら「ツール・ド・フランス2019―出場チーム&注目選手を、楽しいtweetでご紹介!前編」
TDF関連の記事はこちら「ツール・ド・フランス2019予習―放送予定とコース、公式キャッチフレーズ添え」「ツール・ド・フランス2019―マイヨ・ジョーヌ100周年!関連イベント&黄色な話」
12.トレック・セガフレード―Trek Segafredo
アメリカのチームですが、第2スポンサーのセガフレードはイタリアのコーヒーチェーン。この企業の意向が「イタリア人エースを」ということで、来季ニバリを獲得したらしいです。となると、現エースは…
リッチー・ポート(Richie Port)。公式プログムで「彼はグランツール・レーサー(いわゆる総合系)なのだろうか?」などと書かれていました。辛らつ! 本人は「ツール表彰台に立つ写真を実家に飾るのが夢」だと過去のciclissimoで読みました。がんばれ!!
リッチー・ポートの活躍はこちらで「リッチー・ポートの打席指定HR―月チャリ開始記念に栗村さんMVCをご紹介」
今年のジロで山岳賞と大活躍したチッコーネも出ます「ジロ・デ・イタリア2019閉幕―全結果一覧&16~21ステージまとめwithカバーアート」
13.グルパマFDJ―Groupama FDJ
昨年末にツール出場選手を決めていたという、気合が入りまくりなフランスのチーム、グルパマFDJ。
フランス期待のエースはティボー・ピノ(Thibaut Pinot)。大型新人改めアシストの柱ダヴィ・ゴデュ(David Gaudu)、BMCから移籍してきたタイムトライアルの柱ステファン・キュング(Stefan Kung)。
ティボー・ピノは栗村修さんもイチオシ「2019年ツール・ド・フランスに帰ってきたティボー・ピノの「修行」とは?」
14.モビスター―Movistar Team
ツール・ド・フランスではずっと「チームSky(現イネオス)への刺客」的位置にあったスペイン・チーム。しかし、2017年はバルベルデ落車後勝利なし、2018年はキンタナの区間1勝のみ。
いわずと知れたトリプル・エースは、ナイロ・キンタナ(Nairo Quintana)、ミケル・ランダ(Mikel Landa)、アレハンドロ・バルベルデ(Alajandro Valverde)。「三羽カラス」と呼びたくなります。仲良くがんばれ!
というか、もっと早くキンタナを絶対的エースにして挑んでいれば…(?)なんて、言いたくもなっちゃいますけどね。
15.ロット・ソウダル―Lotto Soudal
こちらもベルギーの老舗。ですが、ツール・ド・フランスでは2017、2018と2年連続で勝利なし。「強い集団」になるべく改革中だということです。
アンドレ・グライペルを押し出すかたちでエーススプリンターになったのが、カレブ・ユアン(Caleb Ewan)。ツール初出場で、ステージ勝利が至上命題です。チームで「王子」と呼ばれるティム・ウェレンス(Tim Wellens)、「逃げ屋」の人気者トマス・デヘント(Thomas De Gent)にも注目です。
カレブ・ユアンのツールへの思いがわかる記事「ジロ・デ・イタリア2019―「TDFに俺は出る」2勝持ち帰りのユアンと・・・」
16.ユンボ・ヴィスマ―Team Jumbo Visma
こちらはオランダの老舗。かなり発表が早かったですが、それもツールに対する決意を感じます。若手がどんどん育っているイメージで、チームの雰囲気も良さそうなんですよね。
総合系はステーフェン・クラスヴァイク(Steven Kruijswijk)、スプリントはディラン・フルーネウェーヘン(Dylan Groenewegen)、そして「タイムトライアルを狙う」と宣言するのは、グラン・ツール初挑戦のワウト・ファンアールト(Wout Van Art)。
ファンアールトのドーフィネでの活躍はこちら「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ結果②―ボアッソンハーゲンからアラフィリップまで」
春のクラシックでの活躍はこちら「ストラーデ・ビアンケ2019―白熱の一騎打ち! わが家の「白い道への道」もオマケ」
17.ミッチェルトン・スコット―Mitchelton Scott
チーム結成8年目を迎えた、オーストラリアチーム。昨年はついに、ブエルタでチーム初のグラン・ツール総合優勝をあげました。
余談ですが、ミッチェルトン・スコット(旧オリカ・グリーンエッジ)の軌跡を描いた映画が近日日本でも公開されるそうですよ。 「All for one(トレーラーはこちら)」
エースは、アダム・イェーツ(Adam Yates)。ジロを走った サイモン・イェーツ(Simon Yates)はアシストです。双子が揃うと「どっちがどっち!?」と盛り上がりますが、アダムは2016年のフラムルージュ落下で負ったアゴの傷をかくすためにもアゴ鬚をたくわえているそうです(とすると、ずいぶん前からだけど)。
イェーツ兄弟の記事「パリ~ニース、ティレーノ~アドリアティコ―イェーツ兄弟の大活躍」
18.アージェードゥゼール・ラモンディアル―AG2R La Mondiale
フランスチーム、フランス人によるツール・ド・フランス総合優勝(奪還)という使命を背負ってきたチーム。でも、今年はそれを背負うバルデへの一極集中をゆるめる方針をたてたそうです。
あと、ciclissimo No.59選手名鑑によると「文武両道をうたう育成チームを有し…」ですって。その成果で若手が育ってきているようですが、“文”の部分で人間的な成長を促してくれるならそれはいいことですよね。
エースのロマン・バルデ(Romain Bardet)は、2つの大学で法律と経営学を修めた「本物のインテリ」。昨年のツールで新人賞をとったラトゥールがいない今年は、山岳ではトニー・ガロパン(Tony Gallopin)が頼りになるでしょうか。春のクラシックで活躍した(勝てなかったけど)オリバー・ナーセン(Oliver Naesen)にも注目です。
AG2Rのジャージの話「マルコ・ファヴァロさんのファッションチェック:酷評のAG2Rと息子の思い出」
19.アスタナ―Astana Pro Team
カザフスタン国営企業がスポンサーの、カザフスタンチーム。ただ、活躍しているのは主に外国人。今季イザギレ兄弟の移籍でエウスカリアン(スペイン、バスク人)率がぐっとあがりました。
エースは、34歳ヤコブ・フルサング(Jakob Fuglsang)。春先から好調で前哨戦のドーフィネでも総合優勝。初のグラン・ツール表彰台を狙います。今回唯一のカザフスタン人選手、アレクセイ・ルツェンコ(Alexey Lutsenko)、ヨン様ことヨン・イザギレ(Ion Izagirre)にも注目しています。
アスタナのことはいっぱい書いてます。ピックアップすると「春のアスタナ祭り! スカルポーニに捧げる勝利―ティレーノ&パリ~ニース閉幕」「イツリア・バスク・カントリー2019予習―熱狂するバスクのレース」「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019結果①―ブルーリムジンになったアスタナ」など
20.ドゥクーニンク・クイックステップ―Deceuninck Quick Step
出た! 真打ち! という感じですね。UCIワールドツアーランキング1位のベルギーチーム、人呼んで(自称ともいう)「ウルフ・パック」。
総合エースではないんですが、クラシックで勝ちまくり、大人気フレンチ・ライダーのジュリアン・アラフィリップ(Julian Alaphilippe)。昨年ツールでは山岳賞。圧倒的期待を背負って、何をどうしてくれるでしょうか。スプリンターはエリア・ヴィヴィアーニ(Elia Viviani)。
山岳では期待の若手エンリク・マス(Enric Mas)…ですが、スプリントも山岳も、と欲張れないのがツール。「マスはひとりで何とかするしかない」と栗村さんが言っていました。がんばれ!
アラフィリップの人気記事「縦ノリ横ノリ系ライダーがモニュメント初制覇! ミラノ~サンレモ2019」こちらもどうぞ「フレッシュ・ワロンヌ2019―勝者アラフィリップ!ルル(狼ちゃん)は可愛くない」
ヴィヴィアーニが勝ったときの記事「ツール・ド・スイス閉幕:前編―スプリンター前哨戦のゆくえは?」
21.サンウェブ―Team Sunweb
日本企業シマノの流れをくむドイツチーム。エースのトム・デュムランがジロでの負傷が長引き、期待されていたツールもスキップとなりました。
エースナンバーは、「上れるスプリンター」マイケル・マシューズ(Michael Matthews)。山ではウィルコ・ケルデルマン(Wilco Kelderman)ががんばるかも。
そして、今年のジロ最終日の個人T.T.を制し、グラン・ツール初勝利をあげたチャド・ハガ(Chad Haga)。2016年、チームの隊列に対向車が突っ込んだ交通事故で、一番怪我がひどかったのが彼だったんですね(ヘリで病院へ搬送された)。そこから復活しての勝利。後日、「月チャリ」で飯島美和さんが話されているのを聞いて、泣きました。
↓冒頭の笑顔がよすぎて、がぜん、応援したくなりますね。
チャド・ハガを検索するとき、油断するとチャドクガが出てくるので注意です。ジロの記事「ジロ・デ・イタリア2019閉幕―全結果一覧&16~21ステージまとめwithカバーアート」
22.イネオス―Team INEOS
チームSkyのスポンサーが変わり、今年の5月にINEOSへと生まれ変わりました。中身は同じです。ツール・ド・フランスにおいては昨年までに総合優勝4連覇(フルーム3連覇、昨年トーマス)しているイギリスのチームです。
フルームが6月に落車で大怪我を負ってしまい、不出場。エースはディフェンディング・チャンピオンであるゲラント・トーマス(Geraint Thomas)。そして、山岳のきつい今年のツールにおいては「トーマスよりいくかも」といわれているのが、新コロンビアの星、エガン・ベルナル(Egan Bernal)。
イネオス、ドーフィネ関係の記事「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ予習―放送・配信予定、コース&イネオスの布陣」「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ閉幕③―イネオス2つの勝利と、2015TDFの思い出」
「ツール・ド・スイス予習―配信予定、コース、注目選手(ベルナルとアル多め)」「ツール・ド・スイス閉幕:後編-若者の勝利が続出!総合優勝は22歳のベルナル」
はい。
前編で、「一番よかったものをひとこまにする」と言いました。
もともと、この記事を書くモチベーションとなったのはドゥクーニンク・クイックステップのtweetでした。可愛いし、かっこいいし、センスの塊です。
トレック・セガフレードは、手抜きじゃないの? とも思うんですよね。WEBに力を入れているチームもあり、twitter用にどこまでやるか、というのもあり。ちゃんとtweetしてたのに私が探せなかったチームもあると思うんですが(あったら、すみません…)。
でも、やっぱり重圧を背負うエースの背中は特別、ということで(でも、これは“うなじ”かも?)。マルコ・ファヴァロさん風に「わかっているで賞」を進呈したいと思います。
リッチー・ポートにがんばってもらいましょう!
楽しみです!!
この号には本当にお世話になっています