寝不足です。 睡眠時間に余裕がないと、一緒に寝ている末っ子が夜中や早朝にムニャムニャ言いはじめたときに気づいて対応(トントン)することができず、ギンギンに目覚めさせてしまうという負のスパイラルにはまります。A田です。
昨日、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネが閉幕しました。レース展開ではないところで波乱があり、しかし結果は落ち着くところに落ち着いた、といったところでしょうか。
ドーフィネの予習記事はこちら「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ予習―放送・配信予定、コース&イネオスの布陣」
驚いて声をあげるゴールあり、 涙するゴールあり、色々思い出深いレースになりました。
いつものごとく全ステージを一覧にまとめてみますが、長くなるので、何回かに分けてレースレポートにしていきたいと思います。
今回は、総合優勝したヤコブ・フルサングとそのチーム、アスタナについてです。
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ各ステージの結果一覧
各ステージの優勝者、総合順位を並べてみます。
日程 | Stg | コース | 優勝 | 総合順位 |
6/9(日) | 1 | 丘陵142km | エドゥヴァルド・ ボアッソンハーゲン | 1.ボアッソンハーゲン 2.ジルベール +00:04 3.ファンアールト +00:06 |
6/10(月) | 2 | 丘陵180km | ディラン・トゥーンス | 1.トゥーンス 2.ギョーム・マルタン +00:03 3.フルサング +00:20 4.ルツェンコ +00:21 5.キンタナ +00:24 |
6/11(火) | 3 | 平坦177km | サム・ベネット (2位ファンアールト) | 1.トゥーンス 2.ギョーム・マルタン +00:03 3.ルツェンコ +00:20 3.フルサング +00:20 5.キンタナ +00:24 |
6/12(水) | 4 | 個人T.T. | ワウト・ファンアールト | 1.アダム・イェーツ 2.トゥーンス +00:04 3.ヴァンガーデレン +00:06 4.フルサング +00:07 5.クライスヴァイク +00:24 |
6/13(木) | 5 | 平坦201km | ワウト・ファンアールト | 1.アダム・イェーツ 2.トゥーンス +00:04 3.ヴァンガーデレン +00:06 4.フルサング +00:07 5.ファンアールト +00:20 6.クライスヴァイク +00:24 |
6/14(金) | 6 | 丘陵229km | ジュリアン・アラフィリップ | 1.アダム・イェーツ 2.トゥーンス +00:04 3.ヴァンガーデレン +00:06 4.フルサング +00:07 5.クライスヴァイク +00:24 |
6/15(土) | 7 | 山岳133.5km | ワウト・プールス | 1.フルサング 2.アダム・イェーツ +00:08 3.ヴァンガーデレン +00:20 4.ブッフマン +00:21 5.プールス +00:28 |
6/16(日) | 8 | 山岳113.5km | ディラン・ファンバールレ | 1.フルサング 2.ヴァンガーデレン +00:20 3.ブッフマン +00:21 4.プールス +00:28 5.ティボー・ピノ +00:33 |
第8ステージの途中でアダム・イェーツ、クライスヴァイクがリタイアする事態に。第7ステージが雷鳴とどろく豪雨のなかのレースだったことで、体調を崩したそうです。
そんななか。
総合優勝は、アスタナのヤコブ・フルサングでした! 2位は久しぶりの表彰台、EFエデュケーション・ファーストのティージェイ・ヴァンガーデレン、3位はボーラ・ハンスグローエのエマヌエル・ブッフマンでした。
2年前の2017年に続く、2度目のドーフィネ総合優勝です!
そして、チーム賞はアスタナ。
フルサングの今春の活躍については、こちらの記事をどうぞ(ルツェンコも活躍してます)
「春のアスタナ祭り! スカルポーニに捧げる勝利―ティレーノ&パリ~ニース閉幕」
「リエージュ~バストーニュ~リエージュ―祝フルサング!モニュメント初勝利」
「ティレーノ~アドリアティコ2019―1秒差でログリッチェ勝利。からの表彰台事件」
アスタナカラーのリムジンに乗ったヤコブ・フルサング
34歳のベテランで、優等生王子様感(どっちか選べない)ただようフルサング。優勝インタビューでは、レースを振り返り、2年前の優勝時を振り返り、ライバルのリタイヤに言及し、チームメイトに感謝し、とそつなくコメント。そして、こんなうまいことを言っておりました。
「もっと厳しい展開を予想していたけど、チームが完璧にレースをコントロールしてくれた。まるでリムジンに乗っているようだった。理由はわからないけどアダム・イェーツとステフェン・クライスヴァイクがストップ。昨日の寒いステージが何人かの選手に影響を与えたようだ。ステージ2勝した(最終日に逆転した)2017年の方がスペクタクルだったかもしれないけど、リーダージャージを着て最終日を走ったこの勝利はスペシャルだ」
cyclowired.jp「ヘイグを下したファンバーレがイネオスに連勝をもたらす フルサングが2度目の総合優勝」
こういうことですね。
まあ、序盤戦でしっかりライバルたちについていき、個人T.T.でしっかり総合勢上位につき(総合トップにたったアダム・イェーツと7秒差)、第7ステージでしっかりアタックしてライバルからタイム差をもぎとったからこそ、乗れたリムジンですけどね!
アスタナのチームとしての強さに応えられる、エースの資質がフルサングにはあるということですね。
グラン・ツールの総合を狙う地力があるアスタナ
フルサングは、7月のツール・ド・フランス(TDF)には、アスタナのエースとして出場するでしょう。しかし、実はまだ、グラン・ツールの表彰台を経験したことがありません。それもそのはず。
フルサングは2013年からアスタナで走っていますが、2013~2016年はヴィンチェンツォ・ニバリがいて、ジロ・デ・イタリア総合優勝2回、TDF総合優勝1回。
2016年ジロのニバリの総合優勝にフルサングもスカルポーニらとともに大きく貢献しました「ログリッチェのデビュー、雪の壁、ニバリの涙―ジロ・デ・イタリア2016ハイライト」
さらに、2012~2017年は大型新人ファビオ・アルもいました。グラン・ツールの総合表彰台3回、うち2015年ブエルタ・ア・エスパーニャは総合優勝。
アルは今現在ツール・ド・スイスに出場中。こちらの記事もどうぞ「ツール・ド・スイス予習―配信予定、コース、注目選手(ベルナルとアル多め)」
フルサングは、TDF出場は今年で9回目。昨年は初めてエースとして走って総合12位、最高位は2013年の総合7位。リエージュ~バストーニュ~リエージュを制するなど、春先から好調な今年こそ、表彰台への期待がかかります。
ちなみにもうひとりのエース24歳のミゲル・アンヘル・ロペスはジロで活躍しました。このぶんだとブエルタはロペス「ジロ・デ・イタリア2019閉幕―全結果一覧&16~21ステージまとめwithカバーアート」
しかもですね。ニバリやアルを欠いたとはいえ、ふたりを総合優勝に導いてきたチーム力は健在なわけです。アスタナは、2012年以来、Sky以外で唯一、TDF総合優勝を経験しているチームです(フルサングも当時アシストとして出場)。
同日にツール・ド・スイスでL.L.サンチェスがステージ優勝
さらに。
昨日のツール・ド・スイスでは、ルイス・レオン・サンチェスが鮮やかな逃げ切りステージ優勝!
単独逃げを吸収した後、オマール・フライレがアタックするも吸収、の後、L.L.サンチェスが単独アタック!
もちろん他のチームもそうですが、ツールにはチームのなかから、もっとも強く調子がいい選手が集います。
この夏も、楽しみです!