子どもたちの小学校では、今週からプール授業が開始。先駆けて週末は家族で市民プールに行きましたが、昨年スイミングスクールをやめてしまった息子は、クロールをすっかり忘れていました…A田です。
ついにジロ・デ・イタリアが閉幕しました。
昨日の最終21ステージ、配信開始後しばらくはこれまでのダイジェスト。実況の木下貴道さん、解説の宮澤崇史さんの感想にBGMもいい感じで、のっけからジーンとしました。最終日がタイムトライアルというのも、ひとり一人噛みしめながら見ることができていいですね。最後は涙、涙でした(涙もろいアラフォー)。
未視聴の方はDAZNでどうぞ!こちらの記事にリンク貼っています「ジロ・デ・イタリア開幕直前!コース、日程、DAZN配信予定&ジロがピンクな理由」
さあ、長くなること必至ですが、まとめていきましょう。
ジロ・デ・イタリア2019全ステージ結果一覧
今回は序盤、中盤の結果一覧も一緒に並べてみました。あんなこと、こんなこと、思い出しましょう。
第1~9ステージ:厳しいステージが多かった序盤
序盤戦をまとめた記事はコチラ「ジロ・デ・イタリア2019序盤戦―1~9ステージ&公式カバーアート」
日程 | Stg | コースなど | 優勝 | 総合順位 |
5/11(土) | 1 | I.T.T. 8km | ログリッチェ | 1.ログリッチェ 2.サイモン・イエーツ +00:19 3.ニバリ +00:23 ポイント賞:ログリッチェ 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロベス |
5/12(日) | 2 | スプリンター向き 205km | アッカーマン | 1.ログリッチェ 2.サイモン・イエーツ +00:19 3.ニバリ +00:23 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロベス |
5/13(月) | 3 | 平坦 220km | ガビリア (ヴィヴィアーニ降格) | 1.ログリッチェ 2.サイモン・イエーツ +00:19 3.ニバリ +00:23 ポイント賞:ガビリア 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロベス |
5/14(火) | 4 | 平坦 235km | カラパス 2位ユアン | 1.ログリッチェ 2.サイモン・イエーツ +00:35 3.ニバリ +00:39 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロベス |
5/15(水) | 5 | スプリンター向き 140km | アッカーマン | 1.ログリッチェ 2.サイモン・イエーツ +00:35 3.ニバリ +00:39 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロベス |
5/16(木) | 6 | 最後上る 233km | マスナダ 2位コンティ | 1.コンティ 2.カルボーニ +01:41 3.ピーターズ +02:09 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:カルボーニ |
5/17(金) | 7 | 途中上る 185km | ビルバオ | 1.コンティ 2.ロハス +01:32 3.カルボーニ +01:41 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:カルボーニ |
5/18(土) | 8 | 平坦 239km | カレブ・ユアン | 1.コンティ 2.ロハス +01:32 3.カルボーニ +01:41 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:カルボーニ |
5/19(日) | 9 | I.T.T. 34.8km | ログリッチェ | 1.コンティ 2.ログリッチェ+01:50 3.ピーターズ +02:21 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:ピーターズ |
第10~15ステージ:舞台は山岳へ。劇的な独走勝利も多数
中盤戦をまとめた記事はコチラ「ジロ・デ・イタリア2019中盤戦―10~15ステージ&謎の公式カバーアート」
日程 | Stg | コースなど | 優勝 | 総合順位 |
5/21(火) | 10 | ど平坦 145km | アルノー・デマール (2位ヴィヴィアーニ) | 1.コンティ 2.ログリッチェ+01:50 3.ピーターズ +02:21 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:ピーターズ |
5/22(水) | 11 | ど平坦206km | カレブ・ユアン | 1.コンティ 2.ログリッチェ+01:50 3.ピーターズ +02:21 ポイント賞:デマール 山岳賞:チッコーネ 新人賞:ピーターズ |
5/23(木) | 12 | 1級山岳あり 146km | チェザーレ・ベネッティ | 1.ポランツェ 2.ログリッチェ+04:07 3.コンティ +04:51 ポイント賞:デマール 山岳賞:ブランビッラ 新人賞:ヒュー・カーシー |
5/24(金) | 13 | 山頂finish 188km | イルヌール・ザカリン | 1.ポランツェ 2.ログリッチェ+02:25 3.ザカリン +02:56 ポイント賞:デマール 山岳賞:チッコーネ 新人賞:シヴァコフ |
5/25(土) | 14 | 山岳 131km | リチャル・カラパス | 1.カラパス 2.ログリッチェ+00:07 3.ニバリ +01:47 ポイント賞:デマール 山岳賞:チッコーネ 新人賞:シヴァコフ |
5/26(日) | 15 | 山岳 237km | ダリオ・カタルド | 1.カラパス 2.ログリッチェ+00:47 3.ニバリ +01:47 4.マイカ +02:35 5.ランダ +03:35 ポイント賞:デマール 山岳賞:チッコーネ 新人賞:シヴァコフ |
第16~21ステージ:死力を尽くした総合争い
そして第三週の結果はこちらです。
日程 | Stg | コースなど | 優勝 | 総合順位 |
5/28(火) | 16 | 山岳 226km | ジュリオ・チッコーネ | 1.カラパス 2.ニバリ +01:47 3.ログリッチェ +02:09 4.ランダ +03:15 5.モレマ +05:00 ポイント賞:デマール 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロペス |
5/29(水) | 17 | 丘陵 181km | ナンス・ピーターズ | 1.カラパス 2.ニバリ +01:54 3.ログリッチェ +02:16 4.ランダ +03:03 5.モレマ +05:07 ポイント賞:デマール 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロペス |
5/30(木) | 18 | 平坦 222km | ダミアーノ・チーマ | 1.カラパス 2.ニバリ +01:54 3.ログリッチェ +02:16 4.ランダ +03:03 5.モレマ +05:07 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロペス |
5/31(金) | 19 | 山頂finish 151km | エステバン・チャベス | 1.カラパス 2.ニバリ +01:54 3.ログリッチェ +02:16 4.ランダ +03:03 5.モレマ +05:07 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロペス |
6/1(土) | 20 | チマコッピ 194km | ペリョ・ビルバオ | 1.カラパス 2.ニバリ +01:54 3.ランダ +02:53 4.ログリッチェ +03:16 5.モレマ +05:51 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロペス |
6/2(日) | 21 | I.T.T. 17km | チャド・ハガ | 1.カラパス 2.ニバリ +01:05 3.ログリッチェ +02:30 4.ランダ +02:38 5.モレマ +05:43 ポイント賞:アッカーマン 山岳賞:チッコーネ 新人賞:MA.ロペス |
16th.マリア・アッズーラのジュリオ・チッコーネが雨の山岳ステージを制す
第16ステージは、チマ・コッピ (ジロのなかで一番高い峠)ガヴィア峠を擁する難易度五つ星のクイーン・ステージになる予定でした。しかし、ガヴィア峠が雪に覆われて危険なため、コースを変更し226kmから194km、獲得標高差も5,700mから4,800mに短縮。
それでもギザギザ。ところどころ雨が降り低温のなかの厳しいステージになりました。 1級山岳のモルティローロ峠で逃げグループから抜け出したチッコーネが、共に逃げたアスタナのヤン・ヒルト(途中、前を牽かずに責められるシーンもありつつ)との競り合いに勝利!
総合勢は、ニバリがアタックしマリア・ローザ集団を引き離すシーンがあったが、最後はカラパス&ランダのモビスターダブルエース、ロペスと一緒になり、遅れたログリッチェとのタイム差を稼ぎました。
結果、ニバリは2位、ログリッチェは3位と順位が逆転しました。
17th.ナンス・ピーターズの独走勝利集団スプリント
第17ステージはオーストリア国境に程近い3級山岳アンテルセヴァの山頂ゴールステージ。
逃げ集団から残り16kmでアタックしたAG2R・ラモンディアールのナンス・ピーターズがそのまま逃げ切り勝利! フランス出身の25歳(フランス読みなら苗字は「ペテルス」)。中盤では新人賞ジャージを着用していました。Ciclissimoの選手名鑑によれば、「雨の悪路が好き」。この日は雨ではなかったけど、嬉しいプロ初勝利になりました!
総合勢は、順位に変動なし。どころか、カラパスが最終盤にアタックし、2位ニバリとの差を7秒広げました(チームメイトのランダもカラパスの前にゴール)。ちなみにこの日、カラパスは26歳の誕生日でした。
18th.NIPPOのチーマが逃げ切り勝利! 集団は計算違い!?
第18ステージは、カテゴリなしの峠が前半にあるのみ、全体に下り基調のスプリンター向けステージ。今年は最終日は周回コースではなく個人T.T.なため、スプリンターにとってはラストチャンスです。
ちなみに、このステージで走ったヴェネト州は、この日の解説マルコ・ファヴァロさんの出身地でした。マルコさんの少年期の体験やイタリア国内の事情もたくさん聞くことができました。
余談ですがマルコさんの面白ファッションチェック記事「マルコ・ファヴァロさんのファッションチェック:酷評のAG2Rと息子の思い出」
ゴール前、150km以上を逃げてきた3名に、スプリントに持ち込みたいメイン集団が迫ります。そのなか、勝ったのはなんと、NIPPOヴィーニファンティーニ・ファイザネのダミアーノ・チーマ!!!
ゴールの瞬間、ダブル解説の別府始さんの声も裏返っていました。グラン・ツール初勝利をあげたチーマは25歳のイタリア人スプリンター。連日逃げに乗っていて、この日時点で中間スプリント賞、フーガ賞(逃げ賞:3名以下の逃げの距離をカウント)でもトップ。
NIPPOというチームとしても3度目のジロ出場にして、初勝利。「日本とイタリアのチームですから。最高の結果です」とマルコさんも言っていました。
NIPPOというチームについてはこの記事に書いています「ジロ・デ・イタリア2019―NIPPOの初山翔選手が144kmを単独逃げ!フーガ賞獲得」
どうやらこの日、大会側のタイム表示が間違っており、これにより集団が逃げをつかまえられなかった、ということだったみたいです。まさに、運も実力のうち。
また、2位に入ったアッカーマンは、ハンドルを叩いて悔しがっていましたが、この日デマールからポイント賞マリア・チクラミーノを奪還しました。
もちろん、総合勢は動かず。…というと、まるでお休みの日だったみたいですが、「逃げが決まるまでの序盤は非常に厳しくストレスフルだった」とゴール後のカラパスが話していました。
19th.エステバン・チャベスの復活の勝利!
第19ステージは、難易度3つ星の中級山岳ステージ。早々に決まった逃げ集団が山岳に入ってどんどん小さくなっていくなか、アタックを繰り返したミッチェルトン・スコットのエステバン・チャベスが、残り約3kmを独走! 1年ぶりの勝利をつかみました。
チャベスは昨年のジロ・デ・イタリアでも区間1勝。しかし、その後不調に陥り、「伝染性単核球症(キス程度の接触で感染するため、キス病とも呼ばれる)」を発症して半年間の休養を余儀なくされました。
そこからの復活。両親もゴール地点で見守る中の、会心の勝利です!
総合は、MA.ロペスが44秒詰めた以外は動かず。モビスターが強い。カラパスが強い(ランダも)!
20th.ビルバオ2勝目! 総合争いはカラパスの勝利
第16ステージのコース変更で、この第20ステージのマンゲン峠がチマ・コッピとなりました。山岳最終決戦です。
もう、色々あった。激しい総合争い、遅れるログリッチェ。アスタナ総力をあげて牽引し、自身も好調間違いなかったMA.ロペスが観客に接触されて落車。
マリア・ローザのカラパス、ランダ、ニバリの3人が、逃げ集団に追いつきます。ゴール前、カラパスが、総合4位からのジャンプアップ、そしてステージ優勝のためにランダを牽引するシーンも。
が、しかし、MA.ロペスを前待ちしていたビルバオがステージ2勝目!
エウスカリアンについてはコチラを「イツリア・バスク・カントリー2019予習―熱狂するバスクのレース」
ニバリの攻撃にも、カラパスは沈まず、逆に前に出るなど強さを見せました。もう立派なマリア・ローザだよ!!
21th.チャド・ハガ大号泣のステージ優勝、カラパスが総合優勝!
最終日の個人T.T.。チーム・サンウェブのチャド・ハガが、T.T.世界記録保持者カンペナールツをおさえてのステージ優勝! アメリカ合衆国出身、30歳。ログリッチェが自身のタイムに届かないことがわかると、ホットシートで涙ぐみはじめ、総合2位のニバリがゴールするころにはタオルに顔をうずめて泣いていました。
ところで、私のスマートフォンで「チャドハガ」と検索したら、チャドクガが画像付きでわんさか出て来ました。「チャド・ハガ」←ナカグロ必須です。
そして、ニバリとのタイム差を守ってゴールした、モビスターのリチャル・カラパスが総合優勝! 強かった!! エクアドル出身、このジロ期間中に26歳になったばかり。終始、積極的な走りを見せた若いチャンピオンの、すがすがしい勝利でした。
2位は T.T. でも貫禄の走りを見せたニバリ。そして、ランダを逆転して3位にたったのはログリッチェ。ログリッチェはグラン・ツール初の表彰台です! まだまだ!
フーガ賞はNIPPOのチーマが獲得。中間スプリント賞、総合敢闘賞はアンドローニジョカトリ・シデルメクのファウスト・マスナダ。マスナダは、チマ・コッピを1位通過した者に贈られるチマ・コッピ賞も受賞。チマ・コッピは、偉大なイタリアの自転車選手ファウスト・コッピの名が由来ですが、マスナダが史上初のコッピと同じ「ファウスト」の名を持つチマ・コッピ賞受賞者だそうです。
↑このウンチクで力付きました…
とはいえ、実はもうひとつ記事を用意しています。主役はもちろん…
お楽しみに!