ツール・ド・フランスは、今のところ天気がいいですね~。向こうだけ、夏!って感じですね。熱波が心配ですが…。A田です。
ジロのときは週ごとにレース結果をまとめていましたが、今回は、テーマを絞って小刻みに書いてみようと思います。とりこぼしたステージは、あとで「まとめ」で拾う、と。うまくいくでしょうか。
というわけで、今回は第1ステージにフォーカスしました!
ツール・ド・フランス関連、こちらもどうぞ「ツール・ド・フランス2019予習―放送予定とコース、公式キャッチフレーズ添え」「ツール・ド・フランス2019―マイヨ・ジョーヌ100周年!関連イベント&黄色な話」「ツール・ド・フランス2019―出場チーム&注目選手を、楽しいtweetでご紹介!前編」
第1ステージ:マイヨ・ジョーヌ100周年、1着目の黄色!
自転車が国技であるベルギーの英雄、エディ・メルクス。ツール・ド・フランスで5回総合優勝している彼が、最初に総合優勝してから50周年。ということで、今年2019年大会は、彼の出身地ブリュッセルで開幕しました。
「こんなの、毎年誰かの周年できちゃいますよね」と、J SPORTS解説でおなじみの栗村修さんが、我らワールドか何かで言っていました。わかります。
しかし、そこはやはり、史上最強の選手といわれるエディ・メルクスだからこそ。内定していた開幕地と順番を入れ替えて、今回の記念に漕ぎ着けたのだそうです。
GVAことグレッグ・ヴァンアーヴェルマートが逃げにのって山岳賞
アクチュアル・スタートまもなく、ベルギーが誇るクラシック・レーサー、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(フレッヒ・ファンアフェルマート)がアタックを決めて、4人の逃げに乗りました。
そして、ロンド・ファン・フラーンデレンなどで上るミュール・ド・グラモン(3級山岳)をトップ通過。山岳賞ジャージを獲得しました。
「昨年ツールのコースが発表された時から『ミュール』を先頭で通過しようと思っていたんだ。自分の国でこんなチャンスが巡ってくるなんて」
cyclowired.jp ツール・ド・フランス2019第1ステージ「 落車多発のツール初日 テウニッセンが写真判定の接戦の末にサガンを下す 」
この計画のせいで、スタート前も少しナーバスだった、とも語っていました。今年34歳になったオリンピック・ロードレースチャンピオン。地元で何かやりたい、という思いを見事に実現しました。
ベルギー・フランドル地方とクラシックレースについては、こちらの記事をどうぞ「3月末~4月前半開催レース予習。北のクラシック=フランドル+パリ~ルーベ」
フルサングの落車…
ツール・ド・フランスの前哨戦、クリテリウム・ドゥ・ドーフィネで総合優勝したアスタナのヤコブ・フルサング。バーレーン・メリダのダミアーノ・カルーゾが落車し、それに巻き込まれて落車。瞼を切って流血、レース後2針縫う怪我と、打撲を負ってしまいました。
いかに良いコンディションで3週間走れるかが、勝負の分かれ目になるツール・ド・フランス。第2ステージ以降も出走していますが、「総合優勝候補としては黄色信号」というのが大方の意見。
しかし、この落車で前半抑え目に走ったおかげで、後半めちゃくちゃ調子あがるかもしれません。がんばれ!
今年前半、フルサングの記事をいっぱい書きました。ピックアップして「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019結果①―ブルーリムジンになったアスタナ」「リエージュ~バストーニュ~リエージュ―祝フルサング!モニュメント初勝利」「春のアスタナ祭り! スカルポーニに捧げる勝利―ティレーノ&パリ~ニース閉幕」
スプリント前のフルーネウェーヘンの落車、そして…
第1ステージの大本命、ユンボ・ヴィスマのディラン・フルーネウェーヘン。なんと、ゴール2km手前で落車してしまいます。落車を免れた前方集団は、そのままゴールスプリントへ。
前に出されてしまった、サンウェブのマイケル・マシューズ。サガンはいい位置につけます。しかし、反対側から追い上げていたのがフルーネウェーヘンの発射台役になるはずだった、ユンボ・ヴィスマのマイク・テウニッセン。
ハンドルを投げたサガンとテウニッセン、勝敗は写真判定に持ち込まれました。
勝ったのは、テウニッセンでした! オランダ出身26歳、グラン・ツール初勝利で初マイヨ・ジョーヌ着用です! シクロクロス世界選手権のU23で優勝していることが、話題になっていました。2015年にロットNLユンボ(現ユンボ・ヴィズマ)に入団してプロデビュー、2017年から2年間サンウェブにいて、今年戻ってきました。
ビアンキに乗る選手がマイヨ・ジョーヌを着るのはパンターニ以来
この日J SPORTSの解説をしていた中野善文さんが言っていました。ビアンキのバイクでマイヨ・ジョーヌを着たのは、マルコ・パンターニ以来ではないか、と。
そういう見方もあるのかー。と、ロードレースの要素の多さに驚きました。
マルコ・パンターニはスキンヘッドに鬚という容貌から、「海賊(Il Pirata)」と呼ばれたイタリアの名クライマー。1998年にジロとツールで総合優勝、いわゆるダブルツールを成し遂げています。しかしその後、ドーピング疑惑にゆれ、2000年にはツールで2勝をあげるも低迷、2004年には34歳で亡くなってしまっています(死因はコカイン中毒とされていましたが、近年になり他殺の可能性が出て再捜査中)。
パンターニは、ビアンキに乗っていたんですね。2018年には、パンターニのダブルツールから20周年を記念して、パンターニエディションのビアンキが発売されたそうです。
ビアンキは、「自転車界にとって重要な意味を持つ」と中野さんが言っていました。自転車が成立したといわれる1885年に創業した、現存するなかでは世界最古のスポーツバイク・メーカーなんですね。ビアンキのブランドカラー「チェレステ(Celeste:青空)」は、創業当時の王妃マルガリータに献上した自転車の色で、王妃の瞳の色を模しているとか。毎年、ミラノの空の色から色が決まるため、微妙に違うとか。
ともかく、20年以上を経て、明日はマイヨ・ジョーヌを着用しながらビアンキに載るテウニッセン(明日はタイムトライアルバイクですが)。
楽しみです!