東京オリンピックのチケット抽選、全滅でした。ロードレースかMTBはいけるかも…なんて思ってたんですけどね。 ロードレースは府中で見た後、富士方面に走る作戦でいくか… などと、考え始めるとそわそわしてしまうA田です。
ツール・ド・フランスも近づいてきましたね。スイスでも色々あるし、ベルギー終わるし、スロベニア始まるし。今夜にはバルベルデが出そるルート・ド・オクシタニーも始まるし。
スイスについてはこちら「ツール・ド・スイス予習―配信予定、コース、注目選手(ベルナルとアル多め)」オクシタニーはDAZN「ロードレースまとめ」へ
でもせっかくまとめかけていたので、今回はドーフィネの第1~6ステージまで、ゴールシーンや選手のコメントなどをお届けします。
ドーフィネに関連する記事はこちら「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ予習―放送・配信予定、コース&イネオスの布陣」「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019結果①―ブルーリムジンになったアスタナ」
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネの結果一覧
クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019のリザルトは以下のようになっています。
日程 | Stg | コース | 優勝 | 総合順位 |
6/9(日) | 1 | 丘陵142km | エドゥヴァルド・ ボアッソンハーゲン | 1.ボアッソンハーゲン 2.ジルベール +00:04 3.ファンアールト +00:06 |
6/10(月) | 2 | 丘陵180km | ディラン・トゥーンス | 1.トゥーンス 2.ギョーム・マルタン +00:03 3.フルサング +00:20 4.ルツェンコ +00:21 5.キンタナ +00:24 |
6/11(火) | 3 | 平坦177km | サム・ベネット (2位ファンアールト) | 1.トゥーンス 2.ギョーム・マルタン +00:03 3.ルツェンコ +00:20 3.フルサング +00:20 5.キンタナ +00:24 |
6/12(水) | 4 | 個人T.T. | ワウト・ファンアールト | 1.アダム・イェーツ 2.トゥーンス +00:04 3.ヴァンガーデレン +00:06 4.フルサング +00:07 5.クライスヴァイク +00:24 |
6/13(木) | 5 | 平坦201km | ワウト・ファンアールト | 1.アダム・イェーツ 2.トゥーンス +00:04 3.ヴァンガーデレン +00:06 4.フルサング +00:07 5.ファンアールト +00:20 6.クライスヴァイク +00:24 |
6/14(金) | 6 | 丘陵229km | ジュリアン・アラフィリップ | 1.アダム・イェーツ 2.トゥーンス +00:04 3.ヴァンガーデレン +00:06 4.フルサング +00:07 5.クライスヴァイク +00:24 |
6/15(土) | 7 | 山岳133.5km | ワウト・プールス | 1.フルサング 2.アダム・イェーツ +00:08 3.ヴァンガーデレン +00:20 4.ブッフマン +00:21 5.プールス +00:28 |
6/16(日) | 8 | 山岳113.5km | ディラン・ファンバールレ | 1.フルサング 2.ヴァンガーデレン +00:20 3.ブッフマン +00:21 4.プールス +00:28 5.ティボー・ピノ +00:33 |
走っているのはフランスの右下のほうです。
それでは、各ステージの優勝者を見ていきましょう!
1st.ボアッソンハーゲンが久しぶりの勝利
最初の1級山岳をはじめギザギザがあり、ピュアスプリンターには厳しいコース。残り1kmで逃げをつかまえ、長めのスプリントに。ジルベールやファンアールトを抑えて勝利したのは、ディメンションデータのエドヴァルド・ボアッソンハーゲンでした。
ノルウェー出身32歳。たしか去年くらいにノルウェーのタイムトライアル現チャンピオンであり、「登れるスプリンター」でもあるボアッソンハーゲン。2010年~2014年にはチーム・スカイにいて、強力なアシストとして総合優勝に貢献しました。ワールドツアーでの勝利は2017年のツール・ド・フランス(TDF)以来です。
「最後の登りで本当に苦しんだものの、なんとか集団内で頂上をクリア。その時点でピュアスプリンターたちは姿を消していたので、有利な展開に持ち込めたんだ。良いスピードでスプリントすることができたし、このまま出来る限り長くリーダージャージを着続けたい」
cyclowired.k@「クリテリウム・デュ・ドーフィネ2019第1ステージ
フルームらマイヨジョーヌ候補勢揃いのドーフィネ開幕 ボアッソンハーゲンが初日勝利」
勝利を祝して、コラのようなボアッソンハーゲン3連発をどうぞ。
2nd.この日も2年ぶりの勝利。スプリント対決を制したトゥーンス
トム・デュムランがのった逃げ、ティボー・ピノのアタックなど、総合勢の争いも動いたこの日(デュムランはジロの怪我復帰後のリハビリ的な参加ですが)。逃げが吸収された後、バーレーン・メリダのディラン・トゥーンスとベルギーのプロコンチネンタルチーム、ワンティ・ゴベールのギョーム・マルタンのふたりが飛び出しました。集団は追いつけず。
ギョーム・マルタンがうまく仕掛けたのですが、スプリント力が上回るトゥーンスが勝利。
「今日は序盤から強力な選手が逃げる展開で、メイン集団のペースが落ちることはなかった。逃げ吸収後のカウンターアタックにチャンスがあると思っていたよ。最後はマルタンと一緒に逃げる展開になって助けられた。ドーフィネで勝って、黄色いライオンを受け取るのは夢のようだ」
cyclowired.jp「デュムランが逃げてピノがアタック 総合動く中級山岳でトゥーンスが逃げ切り勝利 」
トゥーンスはベルギー出身のクライマーで、昨年までBMCに所属していました。2年前、2017年のアークティック・レース・オブノルウェーで総合優勝しています。
ちなみにこの日、栗村さんが「哲学者」と言っていたのは、ギョーム・マルタンのことです。大学で哲学を専攻し、「現代スポーツ:ニーチェ哲学の実践か?」という修士論文を書いたとか 。今年2月には『自転車に乗ったソクラテス』という著書を出版したとか(ciclissimo No.59より)。フランス語だから読めないけど、気になります。
3rd.集団スプリントでサム・ベネットが勝利!
この日の平坦ステージは、ゴール前の集団スプリントになり、前評判も高かったボーラ・ハンスグローエのスプリンター、サム・ベネットが勝利しました!
「 2日間厳しいステージが続き、今日もずっと寒かったので、自分の脚の状態に確証がなかった。でもシェーン(アーチボルド)が最高の形で先頭まで連れて行ってくれたんだ。最後は脚の感覚も良くて、チームの仕事を仕上げることができた。これからもステージ優勝を狙っていく」
cyclowired.jp「ドーフィネ最初の大集団スプリントでボーラのベネットがシーズン7勝目 」
昨年、ジロ・デ・イタリアで区間3勝をあげた28歳のアイルランド人スプリンター。しかし、今年のジロはアッカーマンが出場、TDFはもちろんサガン。と、ちょっとチームでは不遇なようです。が、今年はUAEツアーで1勝、パリ~ニース、ツアー・オブ・ターキーで2勝と絶好調。今後の活躍に期待したいですね。
ちなみに今、サガンはスイスで、アッカーマンはスロベニアでそれぞれ勝利をあげています。
ドーフィネでも総合3位のブッフマン 、後述の第5ステージ2位のミュールベルガーなどなど、ボーラの躍進を感じます。チームの雰囲気もよさそう!
4th.ファンアールトが個人タイムトライアルを制す
この日、第4ステージが始まる前の試走で、チーム・イネオスのクリス・フルームが落車。大怪我を負ってリタイヤしました。
総合では大きく遅れているけど、タイムトライアルはどうかな?というトム・デュムランは3位。最近名前の露出も少なくなった気がするティージェイ・ヴァンガーデレンが2位。そして、勝ったのはなんと! シクロクロスからロードレースに軸足を移しつつある(?)ワウト・ファンアールト!
まだプロコンチネンタルチームにいてシクロクロスやMTBに軸を置く(多分)というファンデルプールに対して、ファンアールトはツール・ド・フランス出場も表明。これからすごいことになるんじゃないでしょうか。
「素晴らしい勝利だ。TT能力の改善に取り組んできたけど、勝てるとは思っていなかった。長い直線と登りを含むコースは自分向きだったよ。TTを得意とするチームのおかげで力を伸ばすことができている。ユンボ・ヴィズマのジャージで走る最初のTTで勝利。しかもUCIワールドツアー。これ以上美しいものはないよ」
cyclowired.jp「ファンアールトが26.1km個人TTで圧勝 6位のイェーツが総合首位に立つ 」
ファンアールトは、今年の3月にユンボ・ヴィスマに正式入団した24歳のベルギー人。シクロクロス出身で、2016年から2018年まで3年連続、シクロクロス世界選手権で優勝しています(2019年はマチュー・ファンデルポール(ファンデルプール)が優勝)。
シクロクロスとファンデルポールについての記事「アムステルゴールドレース-ファンデルポールの驚愕のゴールとシクロクロス」
あと、ユンボ・ビスマの新人発掘力とタイムトライアル技術向上力(?)すごいですね。
今年春のクラシックのファンアールトの活躍はこちらで「ストラーデ・ビアンケ2019―白熱の一騎打ち! わが家の「白い道への道」もオマケ」ちょこっと出てきます。
5th. ファンアールト、個人TTの翌日に、スプリント勝利!!
平坦っていうほど、平坦でもなかったこのステージ。それでも集団スプリントになりました。ジュリアン・アラフィリップ、サム・ベネットと競り合って、勝ったのは、なんと、二日連続のファンアールト! 私も見ていて「うそっ!!」と叫んでしまいました。
「第3ステージのスプリントで2位に入ったことがこの勝利に向けての大きな自信に繋がったよ。フィニッシュ手前にコーナーが連続することを把握していたので、集団前方に位置することがスプリントの必須条件だった。うまくボーラ・ハンスグローエの選手たちの後ろ、ジュリアン・アラフィリップの番手という完璧なポジションにつけて、そこから最終コーナーを曲がったところでスプリントを開始した。ジュリアンを追い抜いた時点で勝利したようなものだった。でも正直言うとサム・ベネットに勝てるとは思っていなかったよ」と
cyclowired.jp「個人TTに続いて集団スプリントも ファンアールトが怒涛のステージ2連勝 」
いやー、これはベネット、アラフィリップ、特にベネット、悔しい!
ポイント賞ジャージに加え、総合5位に浮上してしまったファンアールト。しかし、残るは山岳ステージ(第6ステージはステータスは“丘陵”だけど山岳8つ)。「翌日からはユンボ・ヴィスマのクライスヴァイクのために走る」と語りました。
6th.ハンドルの差でアラフィリップが勝利
コースディレクターが公式に「アラフィリップ向き」と発言したという、第6ステージ。そのジュリアン・アラフィリップが、ボーラ・ハンスグローエのミュールベルガー、CCCのデマルキとともに逃げ、山岳ポイントを連取。この日、山岳賞を獲得しました。
さらに。
「勝利は格別。勝つために走っている。出場するすべてのステージレースでステージ優勝したいと思っていた。それに、ドーフィネは地元フランスでのシーズン初戦だったので、ツール・ド・フランスに向けて良い感触を掴んでおきたかったんだ。タイムトライアルの走りも良かったし、今のところ調整は順調に進んでいる」
cyclowired.jp「 山岳コースで逃げ切ったアラフィリップがミュールベルガーとの接戦を制する 」
しかし。「これは、アラフィリップ楽勝でしょ!」という雰囲気だったのに、最後はハンドル投げが勝敗を分ける結果に。
でも、山岳賞とステージ優勝。期待にそっくりそのまま応えるって、すごいことだと思います。そして、この日着た山岳賞ジャージを最終日まで守りきりました。
TDFでも輝け、フランスの星!
アラフィリップの人気記事はこちら「縦ノリ横ノリ系ライダーがモニュメント初制覇! ミラノ~サンレモ2019」
もうひとりのフランスの星、ティボー・ピノは…総合5位。
「2019年ツール・ド・フランスに帰ってきたティボー・ピノの「修行」とは?」
さらに元祖フランスの星、ロマン・バルデについてもそのうち書きたいと思います。
これからもがんばってレポートします
無駄に長くなって大変ですが、こうしてまとめてみることで、選手が身近に感じられるような気がします。気が…するだけかもしれませんが…
のちのち、「あの選手、このときも勝ってたんだ!」と振り返ってもらえるようになればいいなー、と思っています。TOPページにある検索窓、意外にちゃんと動くので活用していただけると嬉しいです。
まとめられないレースも多いけれど、ツール・ド・スイスもまとめたい。これからどんな展開になるでしょうか。
楽しみです!