先日のドーフィネ4日目、子どもの寝かしつけ中に寝落ちしてしまい(寝落ち率75%)、翌日の午前中にフルームの落車を知りました。寝落ちのち、気落ち、なA田です。
しかし、さいわいにも頭部や神経系に損傷はなく、6ヶ月ほどでレースに復帰できるのでは、という報道もあります。回復を祈り、そのときを楽しみに待ちたいと思います。
フルーム派を宣言した記事「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ予習―放送・配信予定、コース&イネオスの布陣」
さて、 この土日の山岳で決まるクリテリウム・ドゥ・ドーフィネの総合争いも気になりますが、本日6/15土曜日から、ツール・ド・スイスも始まります。
いつものごとく、情報をまとめてみました。
ツール・ド・スイスの日程、コース一覧
一覧のステージ(Stg)の数字にリンクを貼っています。文字通り、スイス国内をぐるっとまわる9日間のステージ・レースです。
初開催は1933年と、ブエルタ・ア・エスパーニャ(1935~)よりも早く、歴史があり格式の高いレースのようです(ちなみにドーフィネは1947~)。
日程 | Stg. | コース | 配信時間 | コメンタリー |
6/15(土) | 1 | 個人T.T.9.5km | 22:10~ | 笹川裕昭 / 土井雪広 |
6/16(日) | 2 | 丘陵159.6km | 22:20~ | 笹川裕昭 / 宮澤崇史 |
6/17(月) | 3 | 平坦162.3km | 22:45~ | 南隼人 / 水垣偉弥 |
6/18(火) | 4 | 丘陵163.9km | 22:45~ | 笹川裕昭 / 土井雪広 |
6/19(水) | 5 | 丘陵177km | 22:45~ | 別府始 / 宮澤崇史 |
6/20(木) | 6 | 1級頂上ゴール 120.2km | 22:45~ | 木下貴道 / マルコ・ファヴァロ |
6/21(金) | 7 | 山岳216.6km 超級頂上ゴール | 22:45~ | 南隼人 / 宮澤崇史 |
6/22(土) | 8 | 個人T.T.19.2km | 22:00~ | 木下貴道 / 鈴木太地 |
6/23(日) | 9 | 山岳144.4km | 20:00~ | 小俣雄風太 / 綾野真 |
今年の4賞ジャージは以下のようになっているようです。
歴代優勝者はこちら
- 2018年 リッチー・ポート(オーストラリア)
- 2017年 シモン・シュピラック(スロベニア)
- 2016年 ミゲル・アンヘル・ロペス(コロンビア)
- 2015年 シモン・シュピラック(スロベニア)
- 2014年 ルイ・コスタ(ポルトガル)
- 2013年 ルイ・コスタ(ポルトガル)
- 2012年 ルイ・コスタ(ポルトガル)
- 2011年 リーヴァイ・ライプハイマー(アメリカ合衆国)
昨年、表彰台に上がった3人は、今ドーフィネで走ってます。ということは…
注目選手―総合勢①INEOSのダブルエース
INEOSのクリス・フルームが落車による大怪我でツール・ド・フランスに出場できなくなった今、それに代わるINEOSのエースとして、ゲラント・トーマス、エガン・ベルナルが挙げられますね。
ゲラント・トーマス
注目選手の筆頭は、やはり昨年のTDF覇者、チームINEOSのトーマスですよね。
私だって、一貫してフルームのほうをより応援していたというだけで、トーマスを応援しないわけじゃないんですよ。ただ、もう、トーマスはウィットに富んでて面白いし、華があるし、すごい人気者じゃないですか。英国から叙勲されたし。アフリカ育ちで「イギリスでは外国人」「でもフランスではイギリス人」で不遇なフルームのほうに肩入れしちゃいますよ。
しかし、トーマス。一度頂点に立って、また、フルームという大きな存在を失って改めてチームを背負う立場になって、どんな走りをするのか。周囲の期待に見事応えてくれるのではないでしょうか。
エガン・ベルナル
ベルナルは昨年Skyに加入した、コロンビア出身22歳のスーパー・新エースですね。去年は色々勝った後(雑ですみません)ツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝。今年のパリ・ニースで総合優勝。
今年のパリ・ニース記事がある、と思ったら、アスタナに飲み込まれてました「春のアスタナ祭り! スカルポーニに捧げる勝利―ティレーノ&パリ~ニース閉幕」
今年のジロ・デ・イタリアのエースに内定していましたが、直前の練習中に鎖骨を骨折してしまい、出場できませんでした。ジロ前は非常~に残念でしたが、これにより、今回のツール・ド・スイス→ツール・ド・フランスのコースが可能になったわけです。
ベルナルは、身体的な強さだけでなく「謙虚にしておごらず、努力を惜しまず上を見つめる(ciclissimo No.57より)」など、精神面の評価も高いんです。同誌のインタビューにあった、Skyの宮島マッサーの言葉が面白くて印象に残っているのでご紹介します。
「レース前日、エガンが急に『腰が痛い』って言い出して、でも面白いことに彼は僕に、『これは僕の腰が悪いのか、頭が悪いのか(気持ちの問題なのか)?』って聞いてきたんですね。こいつ大したもんだなと思って。
ciclissimo No.57 「エガン アルレイ・ベルナル」
2018年1月のツアー・ダウンアンダーの開幕前日の話だそうです。ベルナルがワールドチームSkyに移籍して初めてのレース前。極度に緊張するのは当たり前だが、そこで自分を客観的に分析できるゆとりがある、と、宮島マッサーは感心したそうです。
しかも、「性格はほわーっとしている」そうですよ。ええ、私はエガちゃんをかなり応援しています。
注目選手―総合勢②帰ってきたファビオ・アル
もうひとり、注目選手を挙げるとしたら、それはUAEチーム・エミレーツのファビオ・アルです! サガン、キンタナ、デュムランたちと同じ1990年生まれ。イタリアでニバリを次ぐスター選手として期待され、実際にグラン・ツールで1桁順位5回、表彰台3回、うち1回は2015年ブエルタ・ア・エスパーニャの総合優勝です。
2015年ブエルタの話はこちらの記事に(このときの悪役がアルです)「ジロ・デ・イタリア2019―最注目選手、トム・デュムラン(ココア君)」
2012年から2017年までアスタナで走り、2018年にUAEに移籍したのですが、特に昨年はいいところなしの絶不調でした。(2017年のイタリア選手権もとっていて、せっかくチャンピオンジャージを着ていたのに…)
そうしたら、不調に原因があったのでした。ちょっと前に「小麦などのグルテン・アレルギーが不調の原因では?」との診断があったようなのですが、今年に入ってさらに、「腸骨動脈」の疾患が見つかり、手術を受けました。脚の付け根の動脈が閉塞し、圧迫されて血流が悪くなるといったものみたいです。
不調に原因があることがわかり、アルは泣いて喜んだそうです。レース中に落車して自転車に当り散らしてしまったり、総合リーダーのメカトラ時にすかさずアタックしたりと、ちょっとアレなところもありますが、素直で感情豊かであることは、間違いないと思います。
あと、チームメイトにツール・ド・スイスを3度制している、ルイ・コスタがいます。そのへん、どんな感じなんでしょう(雑)。
注目選手総合勢③としては、クックステップのエンリク・マスとか、AR2Rのラトゥールとか、はたまたCCCのベヴィンとかを考えていました。力尽きました。
注目選手―スプリンター勢
思いのほか長くなってしまったので、あとはさらっと。
サガン。
ヴィヴィアーニ。イタリア・チャンピオンジャージを着て勝つんだ!
クリストフ。勝ってほしい。それだけ。
もう始まる…ドーフィネもスイスも…
楽しみです!