本州はもうすぐ梅雨明けだそうですね。A田です。
ツール・ド・フランスは来週月曜日の第10ステージまで続き、火曜日にようやく休息日です。休息日、月曜じゃないんだ?と思いますが、「到達地点の街の規模にもよる」と第6ステージで解説の中野善文さんが言っていました。
ツール・ド・フランスの放送予定と見どころはこちら「ツール・ド・フランス2019予習―放送予定とコース、公式キャッチフレーズ添え」黄色の話「ツール・ド・フランス2019―マイヨ・ジョーヌ100周年!関連イベント&黄色な話」出場チーム&注目選手「ツール・ド・フランス2019―出場チーム&注目選手を、楽しいtweetでご紹介!前編」
とっくに1週目を折り返していますが、今回は第2ステージのチーム・タイムトライアルについてお届けします。
が、タイトルどおり、浅田監督の「電車好き」宣言にのっかった内容になっています。 半分近く、電車の話です。ご了承ください。
浅田監督の「電車好き」宣言
第2ステージは、ブリュッセルでのチームタイムトライアル(T.T.)でした。J SPORT解説はおなじみ浅田顕監督と、中野善文さんです。
ツール・ド・フランスJ SPORTSの本放送では、中継が始まる前に見どころをフリップで解説するくだりがあります。この日、浅田監督のフリップは「8両編成」。
その心は、「チームT.T.は、チームごとに同じユニフォームを着て走る、非常に美しい競技なので、そのトレイン(隊列)を見ることも楽しんでほしい」ということ。「お子さんと一緒なら『あ、○○色だから○○線だ』なんてね」と。
これを受けてサッシャが「『ユンボ・ヴィスマは中央線だ』とか」と言うと、浅田監督は「中央線はCCCですね」としっかり訂正していました。中央線はオレンジですからね!
この後中継でも「○○色=○○電車」という話題が若干、尾を引きました。
というわけで、第2ステージの結果を似ている電車とともにご紹介しましょう! 私が東京在住なので、主に首都圏の路線なのはご容赦ください。関西、中部もちょっと出てきます。
8位:大健闘!グルパマFDJ
中継のなかで「フランス人はタイムトライアルが得意な選手が少ない」という話がありました。フランスはロードレースが盛んな一方、トラック競技はさほどでもなく高速域に強い選手があまりいないこと。路面が悪いこと、シッティングが後ろ目の選手が多い、などの理由が挙げられていました。
しかし。
今年、スイスのT.T.チャンピオンであるシュテファン・キュングをBMCから迎え入れたFDJ。予想外に速いタイムで1位から32秒差の8位と健闘しました(もうひとつのフランスチームAG2Rは10位圏外)。
白に赤と青、といえば京成電鉄ですね。本線は上野から成田空港までを走る路線ですが、今は京急との相互乗り入れで羽田空港まで行きます。「揺れの大きい電車」として有名です。
7位:TT王者BMCの流れをくむCCC
冒頭に出た「中央線はCCC」ということで。チームT.T.に強かったBMCが母体になっているだけあって、手堅く1位から31秒差の7位につけました。
「丸い緑の山手線 真ん中通るは中央線♪」の中央線です(首都圏の昭和生まれの人は分かります?)。東京駅から西へのびる大動脈であり、文句なく速いです。事故がなければ。
私は中央線のご近所で生まれ育ったので、CCCには親近感がわきます。
6位EFエデュケーションファースト、5位サンウェブ、4位カチューシャはちょっと割愛させていただいて…
3位:ウルフパック=ドゥクーニンク・クイックステップ
チームT.T.も速い! ハンマーシリーズの「ハンマーチェイス」でも安定しているイメージがありますしね。最新の各国選手権では、カスパー・アスグリーンがデンマークのT.T.チャンピオンになっています。
不動の1位にいたINEOSに1秒差と迫りました。
青い電車って、小田急、京浜東北…でも、青みが違うな…と思って探したら、ぴったりのがありました。
「ドレミファソラシド~♪」というモーター音(通称ドレミファインバーター)、赤い塗装、そして速さへのこだわりで知られる京浜急行=京急。1日に2編成のみ走る、 羽田空港行きの特別塗装車が「京急ブルースカイトレイン」です。
日本最強の青い電車といっていいでしょう。クイックステップにぴったりです。
私は京急沿線に住んでいたこともあるので、親近感がわきます。
2位:第1出走、総合優勝本命のINEOS
今回の出走順はランダムで、浅田監督が優勝候補のひとつとして押すチームINEOSが第1出走でした。そして、1位のタイムをたたき出し、ずっとホットシートに座っていました。最終走者がゴールするまでは…
「阪急電車みたいですね」というのは、浅田監督が中継中に言っていました。INEOSジャージの赤から黒へのグラデーションが、走っているとまさに阪急電車の色に見えるんですよね。
JR、阪神、阪急と3路線が平行して走っている大阪~神戸間が有名ですね。阪急は一番山側を走っています。
私は社会人初期に大阪に赴任し、大阪市内に住んでいました。阪急京都線の駅も近かったので、京都に遊びに行くときは阪急に乗っていました。親近感がわきます(もういいか)。
1位:貫禄の走りでユンボ・ヴィスマがマイヨ・ジョーヌをキープ
出走順はランダムでしたが、マイヨ・ジョーヌを着るマイク・テウニッセンがいるユンボ・ヴィスマは最終出走。元T.T.世界チャンピオンにして現ドイツチャンピオンのトニー・マルティン、ベルギーチャンピオンのワウト・ファンアールトがいます。地力があり、チームワークがあります。強い!
破られないかに見えたINEOSのタイムをひっくり返し、20秒差をつけて優勝!
「ユンボ・ヴィスマは総武線」と中継で言われていた気がしますが、総武線は便利だけど、まったく速くないです。東京都区内では先に出た中央線と同じ路線を走っていますが、あちらは快速、こちらは各停。いくら黄色くても、今のユンボ・ヴィスマを総武線に例えることはできません。
そこで、探しましたよ。黄色い特急を。
近鉄の「伊勢志摩ライナー」。これの赤のバージョンもあり、伊勢志摩の太陽と光線をイメージしているのだそうです。思いつきで始めたトレインシリーズでしたが、これで、東名阪をカバーできたし、よかったよかった(雑?)!
真面目な話、ユンボ・ヴィスマの勝利に泣きました
チームT.T.は個人T.T.と違って、一定ペースで走ればいいというものでもありません。8人出走しますが、4人目のタイムがチームとしてのタイムになります。
T.T.が苦手な選手は前半に鬼牽きしてちぎれる戦略だとか、得意な選手は長めに牽くとか、色々あります。
そもそも複数で「回る」ということが、決して一定ペースでできることではなく、先頭を牽き終わって後ろまで下がったら「尻尾に付くためにもがく」ことが必要だそうです。プロフェッショナルの技術を感じますね。
とにかく、団体戦は盛り上がります。
ツール・ド・フランスという大舞台でスプリント手前で落車してしまったフルーネウェーヘン、そこから切り替えて勝利を手にしたテウニッセン。チーム一丸となってマイヨ・ジョーヌを守ったユンボ・ヴィスマ。
おめでとう。
上のくだりはこちらの記事で「【ツール・ド・フランス2019】St①―20年ぶりのビアンキ×マイヨ・ジョーヌ」
INEOSはSky時代も入れて、チームT.T.で勝ったことはない?らしく、本当に残念そうでした。まあ、総合がんばれ。
そして、最後に言いたいのは、なんといってもチームT.T.のトレインは美しいということです!
ドラマはまだまだ続きます。
楽しみです!