ありがとう!ジロデイタリア2021—東京オリンピックと何が違うのかという話

ジロの前にGWあるじゃん〜、7連休じゃん〜♪ などと言っていたら、あっという間にGWが終わってジロが始まってしまいました。そして5月も終わり、ジロも終わってしまいました。A田です。

3月、パリ〜ニースの途中で「J Sportsでジロデイタリア放送決定」という発表がされてから、それについて書きたいな〜、書かなきゃな〜と思ってきました。

まずは更新しました

もうクリテリウム・デュ・ドーフィネが始まっていて、3週間後にツールドフランス開幕というタイミングですが。昨日、ジロの全21ステージ見終わったので、ジロ開幕前に書いていたことをベースに、今思うところを書いていきたいと思います。

グランツールと東京オリンピック

イタリアでは新型コロナの感染者数が減少傾向にあり、4月末にはそれまで出ていた外出制限が緩和されました。とはいえ、開幕時点でも全国で1日1万人近い感染者数が出ていました。

日本は、5月上旬は1日およそ5千人の感染者。今、6月上旬時点でその半分くらい。

その間、東京オリンピックの開催の是非が問われてきたわけですが…(現実には問わずに開催に向けて突き進んでるけど)。

ジロやるなら、東京オリンピックもやるよね。

規模も組織も違うから、単純に比較できないだろうけど。

ジロ、ありがとう!! と私のような自転車ロードレースファンが思うように、

東京五輪、ありがとう!! と世界中のスポーツファンが思う。

という図式、成り立つはずですよね。

でも、今年のジロを見てわかりました。ジロと東京オリンピックの決定的な違い。

愛がある

ジロ開幕前、私は「日本人として五輪開催に複雑な気持ちになる以上、イタリアの人たちのことを考えずにジロ開催を手放しで喜ぶわけにはいかない」と思っていました。安全な開催のために従事するすべての関係者や、それを受け入れる地元の人たちをリスペクトしながら真剣に見よう、と思っていました。

ところが。実際にジロ見たら。

イタリアの人たちが手放しで喜んでたよね。

最終日のミラノ、沿道の熱狂ぶり。そのことに感動したよね。

ジロを現地で観戦するなら、最終日TTははずせないな。と思ったよね。

解説が日本が世界に誇るサイクルフォトグラファーの砂田弓弦さんだったのもある。イタリアのロードレースに対する愛の深さに、感動しました。

東京オリンピックを愛しているのか!?と。私だけでも自問自答せねば、と思いました。直近火急の課題です。

ニバリ、完走。ドッキリTV大賞に輝いたと聞いてほっこり

4月、練習中に手首を骨折してしまったニバリ。それでもジロに出場すると聞いて、ちょっと嬉しかったけど、彼にももう残り時間が少ないのだということを感じて、嫌でした。

総合タイムで勝負することはなかったけど、果敢なアタックもダウンヒルも見ることができた。

ニバリの飛び出しがあった12ステージ

そして最終日、砂田さんが「昨年のドッキリTVで大賞を取ってた」と発言。イタリアでは自転車選手は大物タレント枠に入るわけで、NHK紅白歌合戦の審査員席に横綱がいるみたいなもん? だけどニバリは、さらにもっと愛される存在なんだなーと。

ドッキリの内容は「親族の誰かがものすごい高額なものを買ってしまった」というものだったらしい。激怒しつつなんとかしようとする家族思いのニバリ、だったんだろうなと想像。このお話だけで、ほっこり、スッキリした私はただのニバリファンです。

もう、東京オリンピックのイタリア代表入りは難しそうで、府中で見ることは出来なさそうだけど…orz

幻になった2020年の予言

ありがとう、5年ぶりのJ Sportsジロ放送

この流れでどこまでニバリで引っ張るのかって話ですが、5年前、J Sportsで放送された2016年のジロは、ニバリが総合優勝しました。そして私は当時、末っ子の出産前で家にずーっといました。というわけで、2016年ジロはつぶさに見ており、何度か記事にしてきました。

一番印象に残っている2016年のジロ

そして2021年。やっぱり、J Sportsのグランツール放送の真髄は、ジロにあると今回見て思いました!ツールドフランスは、公式の装い。素顔ってところではブエルタもいいんだけど、イタリアはより濃厚に解説者の皆さんの人生とクロスしているんだなと実感します。

全部ちゃんと見れたわけじゃないけど、例えば終盤の平坦第18ステージの中野喜文さんの駆け出し時代のお話とか。『中野さん疾風編』とつけて保存版にしたいくらいです。ときには冷酷と言えるほどサクッと話を収束させるサッシャが、腰を据えてむしろ話を続けさせるという。この切り替えもすごい。

深夜、色んな人生をクロスオーバーさせて楽しめるジロ。

来年も、楽しみです!←また突然放送がなくなった時の心理的保険としてのコメント。

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