イチロー選手が引退しましたね。オリックス時代のイチロー選手を、西武球場でよく見ていました。A田です。
ヨーロッパ・ツアーとかアジア・ツアーとかJプロツアーに言及できずにいます。今はUCIワールドツアーを追いかけるので手一杯です…。だんだんと広げていきたいと思います。いずれは女子ロードレースにも。
今回は、3月19日に閉幕したステージ・レース、ティレーノ~アドリアティコ。1秒差という劇的な総合争いの結末と、たぶん完全NGな表彰式でのアクシデントについて、ご紹介します。
ティレーノ~アドリアティコ第7最終ステージまでの流れ
第3レースまでは、こちらの記事で簡単に触れています。第2ステージからアダムがリーダー・ジャージを着ました。
第5レースまでのレポートはこちらです。
第7ステージまでの結果をまとめると、このようになっています。
日付 | 【ティレーノ~アドリアティコ】 |
3/13(水) | 1.T.T.T.(ミッチェルトン・スコット) |
3/14(木) | 2.勾配あり(アラフィリップ) |
3/15(金) | 3.平坦(ヴィヴィアーニ) |
3/16(土) | 4.丘陵(ルツェンコ) |
3/17(日) | 5.山岳(フルサング) |
3/18(月) | 6.平坦(アラフィリップ) |
3/19(火) | 7.T.T. (カンペナールツ)※この記事で触れられず、申し訳ない |
ちなみに、第6ステージはスプリントステージだったので、総合は動きませんでした。
スプリンターのヴィヴィアーニと、パンチャーのアラフィリップ、同チームの2人がそれぞれにゴール前でもがくという、珍しいゴールシーンでした。
第7ステージは総合タイム順に走る個人タイムトライアル
総合優勝争いは、1位がミッチェルトン・スコットのアダム・イェーツ、2位はユンボ・ヴィスマのプリモシュ・ログリッチェ。その差25秒です。
「残るはタイムトライアルだけ。TTが得意なログリッチェから45秒以上のリードを奪っておきたいと思っていた。25秒というタイム差は十分ではないけど、全力を尽くすのみだ」
cyclowired.jp「 「壁のステージ」でフルサングがスカルポーニに捧げる勝利 Aイェーツがリード拡大 」
第5ステージの後、アダムはこう語っていました。
ログリッチェはI.T.T.のステージを何度も制している、元T.T.スペシャリスト(今は総合系だとすると)。一方のアダムは173cmと小柄で、特に今回のような平坦なT.T.では不利です。
ログリッチェの方が速いのは前提として、アダムが25秒を守れるかが焦点でした。
結果、0.31秒差。総合優勝はログリッチェの手に
ステージ・レースの個人タイムトライアル(I.T.T.)の出走順は、初日ならくじ引きだったりしますが、途中や最終日なら総合タイムの遅い人から出走します。
先にログリッチェのタイムが確定した後は、アダムのゴールまで画面左下に「総合優勝まであと何秒」表示が。これがゴールまでに1秒でも残っていればアダムの勝ち。
しかし、 前半好タイムで走っていたアダムは向かい風のなか失速し、なんと1秒差(正確には0.31秒差)で総合優勝はログリッチェの手に渡りました。
マリア・アッズーラの胸に…ティレーノ~アドリアティコ表彰式の笑えないアクシデント
ところで、メディアにあがっているログリッチェの表彰台の写真、ちょっと変ですよね?
ステージ・レースの総合優勝なのに、2位と3位が隣にいるでもなく、トロフィーを持つわけでもなく。三叉の矛とのツーショット。
実は、こんないきさつがあったのです。
※「試合運びがわかるほどのキャプチャでなければ引用の範囲になる」…という解釈で、表彰式の中継のキャプチャ画像を貼っていきます
用意されたマリア・アッズーラの胸には、アダムのチームである「ミッチェルトン・スコット」のプリント。いち早く気付いていたフルサングは、終始気を遣いつつベテランの風格で見守っていました。逆にアダムは茫然自失といった風情で、国旗掲揚の脱帽も忘れて立ち尽くしていました。
プロの選手が表彰台で絶対にやってはいけないこと
はい、ここで問題です。
日本自転車普及協会の栗村修さんの現役時代、ヨーロッパのレースで勝利したことがありました。しかし、まだ表彰台に慣れていなかった栗村少年はある重大なミスを犯してしまいます。
それはどんなミスでしょうか? ヒントはこちらの絵です。
正解は「胸の前で花束を持って写真撮影されたこと」です!
チーム名=メイン・スポンサー名であるこの競技。一番高い表彰台の上で、胸にプリントされたチーム名を撮影してもらうことは、選手にとってレースに勝つことと同じくらい大事なこと。それを説明するために、栗村さんはレース解説中にしばしばこの失敗談をお話してくれます。
「両手を広げて胸のチーム・ロゴを見せる」これが正しいプロ選手のスタイルです。そのロゴが真っ白なんて、まずいよー。 ユンボ・ビスマの広報さんも大変だよ…
と、思っていたら、今年のブエルタ・ア・アンダルシアのときにフルサングもロゴ白リーダージャージ着てました…ズコー
ともかく。
これも栗村さんがよく言っていますが、自転車ロードレースは観客から入場料がとれない。それもあって、独特のスポンサーアピールのスタイルがあるんだと思います。
表彰式で協賛企業のぬいぐるみをもらったり。もしあれがなくなったらさびしいです。ブエルタ・ア・アンダルシアではモノポリーをもらっていましたね。
2019はグラン・ツールを制するか!? まずはジロ・デ・イタリアで注目! なログリッチェ
2019年すでにUAEツアーも制しているログリッチェ。きっと、今年また勝つ。彼の経歴には、またそのときに触れたいと思います。27歳を超えてジャンプ競技から移ってきた異例の経歴の持ち主ですもんね。
また、ユンボ・ヴィスマにはもう1人のグラン・ツールレーサー、クライスヴァイクがいます。彼にもがんばってほしいです。すでに「ciclissimoNo.59」の選手名鑑ではエースポジションをログリッチェに譲っていますが…
楽しみです!