急に暑くなったと思ったら、今度は台風! そんななか、今日は家族で動物園に行ってきました。夏休み中なA田です。
ツール・ド・フランス、ついに最終局面ですね。今日が第20ステージ。これまで穏やかだった天気が、ラストに盛大に裏切ってくれました。恨むよほんと…
3週目の衝撃の展開にはあえてふれず、まずは順を追って2週目のレポートをどうぞ。嗚呼…(気を抜くと漏れる)
ツール・ド・フランス2019、2週目の結果一覧
まずは、これまでのリザルトを振り返ってみましょう。
日程 | Stg | コースなど | ステージ優勝 | 総合順位 |
7/17(水) | 11 | 平坦 167km アルビ~トゥールーズ | カレブ・ユアン(ロット・ソウダル) | 1.アラフィリップ 2.トーマス +01:12 3.ベルナル +01:16 4.クライスヴァイク +01:27 5.ブッフマン +01:45 山岳:ウェレンス ポイント:サガン 新人:ベルナル |
7/18(木) | 12 | 上級山岳 209.5km トゥールーズ~バニエール・ド・ビゴール | S.イェーツ(ミッチェルトン・スコット) | 1.アラフィリップ 2.トーマス +01:12 3.ベルナル +01:16 4.クライスヴァイク +01:27 5.ブッフマン +01:45 山岳:ウェレンス ポイント:サガン 新人:ベルナル |
7/19(金) | 13 | I.T.T. 27.2km ポー | ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ) | 1.アラフィリップ 2.トーマス +02:02 3.クライスヴァイク +02:14 4.ベルナル +03:00 5.ブッフマン +03:12 山岳:ウェレンス ポイント:サガン 新人:ベルナル |
7/20(土) | 14 | 上級山岳 117.5km タルブ~トゥルマレ バレージュ | ティボー・ピノ(グルパマFDJ) | 1.アラフィリップ 2.トーマス +01:26 3.クライスヴァイク +02:12 4.マス +02:44 5.ベルナル +02:52 山岳:ウェレンス ポイント:サガン 新人:マス |
7/21(日) | 15 | 上級山岳 185km リムー~フォワ プラ・ダルビス | S.イェーツ(ミッチェルトン・スコット) | 1.アラフィリップ 2.トーマス +01:35 3.クライスヴァイク +01:47 4.ピノ +01:50 5.ベルナル +02:02 山岳:ウェレンス ポイント:サガン 新人:ベルナル |
1週目の結果はこちら「【ツール・ド・フランス2019】1週目St⑥~⑩―フランス革命記念日にマイヨ・ジョーヌを着るのは誰」
第11ステージ:悲願達成!初出場のユアンが初勝利
休息日明けのスプリントステージを制したのは、ロット・ソウダルのカレブ・ユアン。ユンボ・ヴィスマのフルーネウェーヘンに僅差で勝利しました。
「信じられない。子供の頃からの夢を達成することができた。ツールは子供の頃から何よりも勝ちたかったレース。遠いオーストラリアの地からテレビで見ていたツール・ド・フランスで勝ったんだ」
cyclowired.jp「ピレネー突入前の大集団スプリント フルーネウェーヘンを下したユアンが初勝利」
韓国系オーストラリア人のユアン。以前リッチー・ポートのインタビュー記事で読んだのですが、オーストラリアのツール・ド・フランスは、真冬の真夜中にテレビで見るもの。それを考えると「遠い」という言葉の重みが増す気がします。
ユアンについてはこちらの記事に色々書いています「ジロ・デ・イタリア2019―「TDFに俺は出る」2勝持ち帰りのユアンと・・・」
このツール初勝利で、ユアンはすべてのグラン・ツールで勝利をあげた選手になりました。
第12ステージ:ピレネー初戦でサイモン・イェーツが逃げ切り勝利!
1級山岳が2つ出てくるピレネーの山岳初戦は、40名の大逃げが決まり「逃げステージ」になりました。最終的にボーラ・ハンスグローエのミュールベルガー、アスタナのビルバオ、ミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツの3名に。
この3名のゴール前スプリントを制したのはサイモン・イェーツ!
「3つのグランツール全てでステージ優勝するなんて誇らしい。今年はいつもと違うチャンスが回ってきたんだ。あくまでもメインの目標は山岳ステージでアダムをアシストすること。でも今日はその必要がなかったので、逃げに乗ることになった。チームにとってダリル・インピーに続くステージ2勝目はファンタスティック。この勢いを継続したい」
cyclowired.jp「ピレネー初日にSイェーツが逃げ切り勝利 アラフィリップ首位のまま個人TTへ」
勢い、継続しますよね~。ジロでエースとして走ったサイモン(ジロでは総合8位)は、今回は双子のアダムのアシスト。このクラスの選手が、総合エースとしてではなく、ステージ狙いで自由に走れるのは強みですね。
イェーツ兄弟の記事「パリ~ニース、ティレーノ~アドリアティコ―イェーツ兄弟の大活躍」
第13ステージ:まさかの!アラフィリップ、個人TTで勝利
総合タイムの遅い順からスタートする個人タイムトライアル。距離は27.2kmと短めです。ロット・ソウダルのトーマス・デヘントが1位になり、長らくホットシートに座っていました。
昨年度イギリスT.T.チャンピオンでもあったINEOSのゲラント・トーマス。さすがのフォームでぐいぐい踏んで進む姿、美しかったですね。
しかし。
黄色のスキンスーツで「着心地が悪いのでは?」「着たまま針で調整とかアナログ過ぎ」などと心配されたジュリアン・アラフィリップ(マイヨ・ジョーヌ着用のため計算を尽くして製作されたチームのスキンスーツが着られない)。
勝ちました。
「今日は観客たちに後押しされた。自分のリミットを押し上げることができたし、フィニッシュラインまで全開で追い込むことができた。無線からはチームカーに乗る監督たちの泣き声が聞こえたよ」
cyclowired.jp「マイヨジョーヌのアラフィリップが27.2km個人TTでトーマスを14秒差で下す」
しかもこの日、7月19日がマイヨ・ジョーヌの本当の100回目の誕生日。黄色に愛されたアラフィリップ。
マイヨ・ジョーヌについての記事「ツール・ド・フランス2019―マイヨ・ジョーヌ100周年!関連イベント&黄色な話」
当初、1分20秒あるトーマスとのタイム差を守れるか? といわれていたのに… どこまでいっちゃうのアラフィリップ。
第14ステージ:大統領も来る象徴的なステージで、ティボー・ピノが勝利!
この日はコロンビアの革命記念日。の一方で、ピレネー山脈の象徴的な峠、トゥルマレの山頂フィニッシュ。そして、その山頂にはエマニュエル・マクロン現フランス大統領が来ている、というステージ。
ニバリを含む豪華な逃げ集団、モビスターの攻撃
などなど、色々ありつつ…
勝ちました。フランス期待の星、グルパマFDJのティボー・ピノが。
本人の映像がなくとも、グルパマFDJのマディオ監督を見ていれば勝ったかどうかわかるという…
強くなったピノの記事。マディオ監督もいっぱい出てきます「2019年ツール・ド・フランスに帰ってきたティボー・ピノの「修行」とは?」
「今日は作戦通りにチームはレースを進めた。スロール峠でのモビスターの強力なペースアップは予想外だったけど、最後はダヴィ・ゴデュが作戦通りアタック。どうしても勝ちたいという気持ちがあった」
cyclowired.jp「 超級トゥールマレーでピノが勝利 2位のアラフィリップがトーマスを突き放す 」
「今年のツールはピノ向き」「アラフィリップがマイヨ・ジョーヌを渡すならピノに」など、フランス全土の期待を集めて走ったティボー・ピノ。(もうひとりの期待の星、ロメン・バルデは不調)
2015年以来、渇望していたステージ勝利を手にしました!
しかも、マイヨ・ジョーヌのアラフィリップが2番手でゴールし、総合タイムを奪う結果に。
フランス!!
第15ステージ:ダブル・サイモンが逃げ。ののち、サイモン独走勝利!
ピレネーの三戦目は、再びの大集団逃げ。からの、CCCのサイモン・ゲシュケとミッチェルトン・スコットのサイモン・イェーツという、“ダブル・サイモン”の2人逃げ。
からの、サイモン・イェーツの独走勝利!
強いですね~。
「今日はスタートからフィニッシュまでずっと全開走行だった。山岳ポイントは狙っていなかったよ。このステージ2勝目を誇りに思う。このツールにはアダムの総合サポートとステージ優勝が目標だった。ステージ2勝を果たした今、これからはチームのための働きに徹したい」
cyclowired.jp「ピレネー最終日にSイェーツが2勝目 攻撃に出たピノとランダがタイムを奪う」
エースのアダムが総合24位と落ち込んでいるからこその、サイモンの動きではありますが。好調のサイモン。ブエルタもこの調子で出場するのでしょうか?
総合争いでは、ティボー・ピノがモビスターのミケル・ランダとともに2位でフィニッシュし、タイムを挽回しました。また、アラフィリップがマイヨ・ジョーヌをキープ。
それにしても、この日はフランスでも1位、2位を争う自然の美しい地域、アリエージュ県を通るステージだったのですが、あいにくの空模様でした。それがちょっと残念。
コースの見どころをまとめた記事「ツール・ド・フランス2019予習―放送予定とコース、公式キャッチフレーズ添え」見返す方はどうぞ
ともかく、フランスは最高潮の盛り上がりで、2週目を終えました。
さあ、3週目…3週目…
楽しみです!!