子どもの春休みもつらいけど、新学期が始まったら始まったでつらいであろうA田です。
フランドル・クラシックの真っ最中ですが、一方でクライマー向けな「ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ」が3月25日から3月31日まで開催されました。
今回はその全7ステージをダイジェスト版でまとめてみたいと思います!
ブエルタ・ア・エスパーニャと同じASO主催のステージ・レース
このレースを主催するのはASO(Amaury Sport Organisation:ツール・ド・フランスを主催するオーガナイザー)。ボルタ・ア・カタルーニャは、 もともとはカタルーニャのレースでしたが、財政難からASOの運営になったようです。今回で99回目、ブエルタ・ア・エスパーニャより古いレースです。
ところでこのレース、昨年はDAZNで配信されたそうですが、今年は事前のリストにはあったものの直前で配信がなくなりましたね。
ASOのレースは日本では主にJ SPORTSが放送しています。とすると、DAZNが配信できないのも無理ないこと。むしろ、昨年配信できたのが不思議だという…
「サイバナ」さんの動画「ボルタ・ア・カタルーニャが放送されない件から考える自転車レースの主催者と放映権問題について」を参照しました!
日本語コメンタリー付きで見られないのは残念ですが、Youtubeにあがっている英語版で視聴しました。
カタルーニャはここ。ホアキン・ロドリゲスの故郷(←蛇足かも)
カタルーニャといえば、スペインからの独立運動が思い浮かびますね。スペイン北東部、フランス国境に接しピレネー山脈を擁する土地で、州都はバルセロナです。
レース名の「Volta」は、カタルーニャ語で「一周」といった意味です。意味は「Vuelta」と同じですが、カタルーニャとその隣のバレンシアでは「Volta」が使われています。
私にとってカタルーニャ出身の選手といえば、もう引退していますが、ホアキン・ロドリゲスです。バルセロナ出身で、今はカタルーニャ州のお隣のアンドラに住んでいます。急勾配の激坂が大得意だったクライマーですね。
ホアキンがブエルタ・ア・エスパーニャで地元を走ったとき、彼の愛称「プリトー(El Purito:小さな葉巻)」が坂道にいっぱい描いてあったのですが、それを描いたのがホアキンのお父さんだと聞いて涙した記憶があります。ちなみに、「プリトー」の由来は、新人時代、チームの先輩選手たちが苦しむ激坂を軽々登り、追い抜きざまに葉巻を吸う仕草をして見せたことから、だそうです。
脱線しましたが、カタルーニャといえば激坂、カタルーニャ一周するこのレースといば山岳、という話でした。
容赦なく山岳が設定されたコースレイアウト
というわけで、コースレイアウトを並べてみます。
第2、第5、第6ステージがスプリンター向けステージ。けっこう山あるけど…というレース。というわけで、フルーム、ベルナル、バルベルデ、キンタナ、イェーツ兄弟、ポート、バルデなどグラン・ツールを見据える総合系選手が集います。
過去5年の優勝者はこちら。
- 2018年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
- 2017年 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン)
- 2016年 ナイロ・キンタナ(コロンビア)
- 2015年 リッチー・ポート(オーストラリア)
- 2014年 ホアキン・ロドリゲス(スペイン)
公式まとめ動画はイマイチ?
レースレポートはcyclowired.jp「ボルタ・ア・カタルーニャ2019」が詳しいです。ただ、リンクしている公式のハイライトまとめ動画は、イマイチ展開が伝わってきません。
youtubeで「volta a catlunya」で検索すると「Sprts Store」というところの動画が出てきて、これでラスト1時間ほどが見られます。
各ステージの優勝者と総合順位の変遷
全ステージを一覧してみました。総合順位の変動がわかるかなー、と思いまして。どうでしょうか。
Stg. | ステージ優勝 | 勝ち方 | 総合3位まで(タイム差) |
1 | デヘント | 独走 | 1.デヘント 2.シャフマン(+02:38) 3.ボーレ(+02:42) |
2 | マシューズ | スプリント | 1.デヘント 2.バルベルデ(+02:47) 3.マシューズ(+02:48) |
3 | A.イェーツ | スプリント | 1.デヘント 2.A.イェーツ(+00:27) 3.ベルナル(+00:30) |
4 | M.A.ロペス | 山アタック | 1.M.A.ロペス 2.A.イェーツ(+00:14) 3.ベルナル(+00:17) |
5 | シャフマン | 独走 | 変動なし |
6 | マシューズ | スプリント | 変動なし |
7 | フォルモロ | 独走 | 1.M.A.ロペス 2.A.イェーツ(+00:14) 3.ベルナル(+00:17) |
山岳賞: デヘント、ポイント賞:マシューズ、ヤングライダー賞:M.A.ロペス
デヘント、シャフマン、フォルモロは、集団とのタイム差は違えどいずれも鮮やかな逃げ切り勝利でした。
2勝をあげた マシューズは「登れるスプリンター」として定評がありますが、さすがのリザルトでした。
ミゲル・アンヘル・ロペス、グラン・ツールを見据える総合優勝
2月のツアー・コロンビアに続いての総合優勝となった、ミゲル・アンヘル・ロペス。昨年はジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャで3位。グラン・ツールの総合を狙えるアスタナのエースとしての実力を見せました。
一方、A.イェーツは3月のティレーノ~アドリアティコに続く総合2位。最終第7ステージでアタックして果敢に攻めたのですが、総合3位のベルナル擁するスカイの追撃もあり、タイム差を縮めることはできませんでした。
ティレーノ~アドリアティコについては、こちらの記事もどうぞ…(なんかいっぱい書いてますね)
ティレーノ~アドリアティコ―DAZN配信予定など:イタリアのレースはイタリアの展開
パリ~ニース、ティレーノ~アドリアティコ―イェーツ兄弟の大活躍
春のアスタナ祭り! 2019も期待大。ティレーノ~アドリアティコ&パリ~ニース閉幕
ティレーノ~アドリアティコが1秒差で決着!実録:表彰台事件も
優勝したロペスのコメント。まだヤングライダー賞の年齢ですが、エースの貫禄が感じられます。
シーズン序盤の大きな目標に定めていたレースで勝てたので本当に嬉しい。ライバルたちが仕掛けてくるのは明らかだったけれどチームとして迎え撃つ準備ができていたんだ。 アダムの攻撃にも冷静に対処できたし、仲間の働きに感謝したいよ。ものすごくタフなレースだったけれど、勝利に対しても自分のコンディションに対しても満足している
cyclowired.jp「 カタルーニャ最終日にフォルモロが逃げ切り イェーツの攻撃に耐えたロペスが総合優勝 」
ロペスは今年は、ジロ・デ・イタリア、ブエルタ・ア・エスパーニャへ出場。A.イェーツはツール・ド・フランスに出場予定です。
バルデを含む 落車による怪我も複数ありましたが、シーズンはまだ始まったばかり…
楽しみです!