ここ半年、まったく体調を崩さなかった末っ子が、ついに夏風邪で発熱しました。A田です。
ブエルタ3週目、毎日色々ありますね。
決着する前に2週目をまとめたいと思い。さっそくですが、どうぞ!
全体のコースや注目選手はこちら「ブエルタ・ア・エスパーニャ2019予習―放送予定とコース、注目選手。優勝候補は誰?」
ブエルタ2019の2週目、各ステージの結果一覧
ブエルタ・ア・エスパーニャ2週目のリザルトを一覧にしました。こうしてみないと、すぐ忘れちゃうので…
1週目のレポートはこちら「ブエルタ・ア・エスパーニャ1週目―楽しいモビスターのトリプルエース」
日程 | Stg | コースなど | ステージ優勝 | 総合順位 |
9/3(火) | 10 | 個人TT ジュランソン 〜 ポー 36.2km | プリモシュ・ログリッチェ | 1.ログリッチェ 2.バルベルデ +01:52 3.MAロペス +02:11 |
9/4(水) | 11 | 丘陵 サン=パレ 〜 ウルダクス=ダンチャリネア 180km | ミケル・イトゥリア | 1.ログリッチェ 2.バルベルデ +01:52 3.MAロペス +02:11 |
9/5(木) | 12 | 丘陵 ナバラ・サーキット 〜 ビルバオ 171.4km | フィリップ・ジルベール | 1.ログリッチェ 2.バルベルデ +01:52 3.MAロペス +02:11 |
9/6(金) | 13 | 山岳 ビルバオ 〜 ロス・マチュコス.モヌメント・バカ・パシエガ 166.4km | タデイ・ポガチャル | 1.ログリッチェ 2.バルベルデ +02:25 3.ポガチャル +03:01 4.MAロペス +03:18 5.キンタナ +03:33 |
9/7(土) | 14 | 平坦 サン・ビセンテ・デ・ラ・バルケラ 〜 オビエド 188km | サム・ベネット | 1.ログリッチェ 2.バルベルデ +02:25 3.ポガチャル +03:01 4.MAロペス +03:18 5.キンタナ +03:33 |
9/8(日) | 15 | 山頂フィニッシュ ティネオ 〜 サントゥアリオ・デル・アセボ 154.4km | セップ・クス | 1.ログリッチェ 2.バルベルデ +02:25 3.ポガチャル +03:42 4.MAロペス +03:59 5.キンタナ +05:09 |
9/9(月) | 16 | 山岳、山頂フィニッシュ プラビア 〜 アルト・デラ・クビーリャ.レナ 144.4km | ヤコブ・フルサング | 1.ログリッチェ 2.バルベルデ +02:48 3.ポガチャル +03:42 4.MAロペス +03:59 5.マイカ +07:40 |
第10ステージ:プリモシュ・ログリッチェが貫禄の勝利
国境をまたいでフランスのポー。今年のツール・ド・フランスでも個人TTステージの舞台になりました。フィニッシュはツールと一緒。でも、細かいアップダウンがあって、「休む暇がないタフなコース」でした。
勝ったのは、やっぱりこの人。
「できるだけハイペースを保つことに務め、ステージ優勝するには十分余裕があった。僕らはまだまだブエルタのスタート地点。このリードがマドリードで勝つのに十分かどうか見定めなくてはならない。すでにいくつか激しいステージを消化してきたけれど、まだまだ難しいコースが待ち構えている。今一番大切なのはその日その日を大切に乗り切ること。(総合首位に立ったことで)レースをコントロールする必要があるけれど、僕には強いチームがついていてくれる」
cyclowired.jp「休息日開けの難関TTステージ トップタイムのログリッチェが総合首位奪取」
スキージャンプの選手からロードに転身したログリッチェの記事。
ジロ・デ・イタリアでは、最有力優勝候補から3位へ転落。今度こそ、グランツールの頂上に向かいます。
ジロ直後の6月に赤ちゃんが生まれてます。
第11ステージ:イトゥリアが地元で大金星勝利
再び国境をまたいで、舞台はバスク地方へ。
バスクといえば世界一自転車に熱い地域。そんなバスクのステージで、バスク地方のチームに所属するバスクっ子が勝利。こんなことってある?
勝ったのは2年前にプロコンチネンタルチームに昇格したエウスカディ・バスクカントリー・ムリアスの、ミケル・イトゥリア。27歳。
「自宅に近く、家族が駆けつけたステージで勝つなんて夢のよう。開幕前からこの第11ステージを狙っていくと家族に伝えていたんだ。そして逃げグループに入り、終盤にかけて監督に『アタックして全開でフィニッシュまで逃げ切るんだ』と指示を受けた。独走に持ち込んでからはできる限り速い走りを心がけて、タイム差を気にすることなく自分のレースに徹した。今夜はシャンパンで乾杯だ」
cyclowired.jp「14名の大逃げが決まる 独走に持ち込んだエウスカディのイトゥリアが大金星」
家族がどんなに喜んだか、想像すると泣けます。
これまでグランツールに出るプロコンチネンタルチームは、開催者推薦で決めていました。なのでスポンサー関係や、地元のチームが出場していました。が、UCIの方針で、来季から(?)強い(ポイントの高い?)プロコンチームが出場することになるという話があります(情報が曖昧ですみません)。
「地元色」もロードの魅力なんだから、地元枠、あってもいいと思うけどな~。どうなるでしょうかね。
第12ステージ:パンチャーといえば、のジルベール勝利
バスク地方最大の都市、ビルバオがゴールのステージ。ビルバオ、私的に一番行ってみたい都市です。
出てくるのは3級山岳、とはいえ、勾配20%の激坂があります。パンチャー向きのステージですかね。
勝ったのは、この人!
この夏37歳になったドゥクーニンク・クイックステップのフィリップ・ジルベール。
「逃げグループの中には強いクライマーがいたので自信がなかったけど、ティム・デクレルクのアシストを受けながらスマートに立ち回った。最後の3級山岳はアルデンヌクラシックを彷彿とさせる自分向きの登りだったよ。時間にして10分以内の登りには自信があるんだ」
cyclowired.jp「 バスクの激坂で逃げグループから飛び出したジルベールがGTステージ通算10勝目 」
かっこいい。ベテランらしい、プラクティカルなコメントですね。
ジルベールは、来季ロット・ソウダルへの移籍が決まっているんですよね?
今年のツール・ド・フランスでは、ベルギースタートにも関わらずベルギーのスター選手であるジルベールが不出場。移籍のせいかと噂されました。
しかし、漢ジルベール「立つ鳥跡を濁さず」な走りを見せています!
今年のパリ~ルーべ覇者です。
第13ステージ:ログリッチェとふたり逃げでポガチャル2勝目
超級山岳で、スロベニア・デュオが爆誕です。
ギザギザと山を5個も6個も越えて、最後は最大勾配25%以上という超級山岳、ロス・マチュコスで、総合争いスタート。
やっぱり、リーダージャージが先頭切って走る展開は興奮します! しかも、同じスロベニア人の若者タデイ・ポガチャルと一緒に。
タンデム走行となったふたり。ステージ勝利はポガチャル! これで今ブエルタで2勝目、総合3位にジャンプアップしました。ログリッチェはライバル勢からタイム差を奪いました。
ポガチャルのコメント。
「初めてのグランツールでステージ2勝なんて信じられない。表現できないほどの嬉しい感情に包まれている。今日はタイムを失わないことが大事だと思っていたので、ステージ優勝は驚きだ」
cyclowired.jp「 超級マチュコスでポガチャル2勝目&総合3位浮上 ログリッチェがリード拡大 」
また、ログリッチェは「スロベニアの自転車界にとって素晴らしい日だ」と語りました。 うんうん。
第14ステージ:スプリントで2勝目、サム・ベネット
久しぶりのスプリント・ステージでした。
なんかもう、サム・ベネットのコメントを聞いて、ブエルタを走っているスプリンターたち全員に拍手を送りたい気持ちになりました。
ゴール前1kmで大規模な落車が起こり、残った小集団の駆け引きの末のロングスプリント。ボーラ・ハンスグローエのサム・ベネットが今大会2勝目です!
「(第4ステージ以降)スプリンターの出番がなかなか回ってこなかった。ここまで11日間全く役立たずだったけど、出番が回ってきたので全力で勝利を狙った。貴重なチャンスだったのでプレッシャーは大きかったけど、同時にそれだけ喜びも大きい」
cyclowired.jp「 落車と登りで集団分裂 ロングスプリントで完全に抜け出したベネットが圧勝 」
ちなみに、翌日。
第15ステージ:
また来た! ギザギザの山岳ステージ。獲得標高差が3,600mだそうです。
総合が動きました。バルベルデがアタックを仕掛け、キンタナを置き去りにして、ログリッチェを連れて行ってしまった問題のステージ。
ステージは、逃げ集団のなかから独走に持ち込んだユンボ・ヴィズマのセップ・クスが勝利!
山岳アシストとしても大活躍の24歳のアメリカ人。誕生日は9月13日…って、昨日ですね! おめでとう!
「最後の登りは麓が急勾配だと知っていたので良いポジションをキープ。調子は良かったし、自分のペースで登っていると先頭に立った。どんな展開にも対応して、最も強い選手(ログリッチェ)を擁するユンボ・ヴィズマの強さを改めて示すことができたと思う。明日からはまたプリモシュの近くでアシストとして働きたい」
cyclowired.jp「 ユンボがアストゥリアス山岳を掌握 クスが勝利し、ログリッチェが首位堅守 」
第16ステージ:なんとグラン・ツール初勝利! ヤコブ・フルサング
この日も破壊力抜群の山岳コース。
21名の逃げ集団にアスタナのLLサンチェス&ヤコブ・フルサングのベテランコンビ、ジルベール筆頭にクイックステップ3人、イネオスのゲオゲガンハート、ロット・ソウダルのトーマス・デヘントなどなどが含まれていて、ワクワクする展開でした。
最後に独走に持ち込んだ、ヤコブ・フルサングが勝利! なんとグラン・ツール初勝利でした! そうだった??
「チームのために働くことと、シーズン終盤に向けたコンディショニングに加えて、ステージ優勝がこのブエルタでの目標の一つだった。今日はルイス(サンチェス)と自分がステージ優勝のために逃げる作戦で、実際に2人とも逃げに乗った時はちょっと興奮したよ。もし仮にステージ優勝のチャンスがなくても、最後の山岳でミゲル(ロペス)を待つこともできた」
cyclowired.jp「超級山岳ラ・クビーリャ峠でフルサングがGTステージ初優勝 バルベルデがタイムを失う」
アスタナの作戦が見事にはまったステージ勝利でした!
総合争いでは、今日はログリッチェ、ポガチャル、MAロペスがバルベルデからタイムを奪いました。
2週目終了時点の4賞ジャージ
山岳賞ジャージ、マドラソからAG2Rのジョフレ・ブシャールに移ってしまいました。新人賞ジャージはポガチャルとMAロペスの争いです。
さあ、3週目(これを書いている時点であと2ステージですが)。
楽しみです!