骨折していた息子の右腕のギプスが取れました。今までやっていなかった夏休みの宿題にも取り掛かり、ようやく終わりそうです。A田です。
ブエルタ・ア・エスパーニャの1週目が終わろうとしています。ブエルタ、超面白いのですが、ここのところ忙しくリアルタイム視聴までまだまだ追いつきません。
そんななか、今回は時をさかのぼって、アークティック・レース・オブ・ノルウェーのレポートをお届けします。
個性が爆発するロードレースの良さを、ぜひまとめたいと思いました! サーモン満載で、どうぞ!
アークティック・レース・オブ・ノルウェーとは?
UCIヨーロッパツアーのHC(超級)クラス。ワールドツアーに次ぐ格式のレースです。舞台は北欧ノルウェー。アークティック=北極圏の4日間のステージレースです!
やはり気候が違えば景色も違いますね。あまり見られない、北欧の風景のなかでのレース、視覚的にもとても楽しかったです。
なんかこう、海抜が低いところにいきなりギザギザした山がそびえているというか。
本当に美しかったです。
観光当局の案内↓
コースはこちら。
歴代優勝者
過去5年の総合優勝者です。
- 2018 セルゲイ・チェルネツキー(ロシア)
- 2017 ディラン・トゥーンス(ベルギー)
- 2016 ジャンニ・モスコン(イタリア)
- 2015 レイン・タラマエ(エストニア)
- 2014 スティーヴン・クライスヴァイク(オランダ)
アークティック・レース・オブ・ノルウェーのステージ結果一覧
各ステージの結果は以下のとおりとなりました。
日程 | Stg | コースなど | ステージ優勝 | 総合順位 |
8/15 | 1 | 平坦 | マチュー・ファンデルポール | 1.ファンデルポール 2.ファンポッペル 3.パスクァロン |
8/16 | 2 | 平坦 | ブライアン・コカール | 1.ファンデルポール 2.ルツェンコ +00.09 3.ホーエルガード |
8/17 | 3 | 山岳 | オドクリスティアン・エイキング | 1.バルギル 2.ルツェンコ +00:03 3.ニーランズ +00:15 |
8/18 | 4 | 山岳 | マークス・ホーエルガード | 1.ルツェンコ 2.バルギル +00:01 3.ニーランズ +00:19 |
それでは、ダイジェスト式にトピックを振り返ってみましょう!
マチュー・ファンデルポール=ユーチューバー説、爆誕
第1ステージ、下馬評どおりマチュー・ファンデルポール勝利!!総合リーダージャージも着ました。
この日、J SPORTSの実況は谷口さん、解説は栗村さん。
栗村さんは、アークティック・レース・オブ・ノルウェーは「マチュー・ファンデルポール祭りになる(略して祭(マチュリ))」と断言。
そして、マチューを「自転車界のユーチューバー」と例えていました。
どういうこと!?
マチューは、シクロクロスの現世界チャンピオン、今年のマウンテンバイク(MTB)ワールドカップでも勝利。そして、ロードレースでは春のクラシックのビッグタイトルであるアムステル・ゴールドレースの2019年の優勝者。
所属するコレンドン・サーカス(シルキュス)はシクロクロスやMTBなど各界の選手が所属するチームですが、ロードレースではワールドチームの下位カテゴリ、プロコンチネンタルチーム。なので、ワールドツアーにいつも参加できるわけではありません。
しかし、大会開催側はマチューに出場してほしくて仕方がない。なのにマチューは「マウンテンバイクの大会あるし」と断ったりしていると(「今回参加したのは主催のASOに対するお詫びかも」的な推測もされていました)。
マチューはさらに、ワールドチームから声がかかりまくっているのに、「ロードレースはまだいい」的に断っているということ。
「ユーチューバー」=「大きな組織に属さず、個人で、新しいやり方で成果を出す、オールマイティーな才能」ということでしょうかね。
第2ステージ解説の中野善文さんは、この説に「膝を打ちました」と言っていました。その後のJ SPORTSのロードレース情報番組「月チャリ」でも、サッシャが 「なるほど!」と激しく納得していました。
その「月チャリ」でサッシャもちらっと言っていましたが、「ロードレース界のヒカキン」のほうがいいのでは? 私も思いました。
でも、もう少し世界レベルなんだよね。うちの子どもたちもヒカキン大好きだけど…
「ノルウェー=鮭」個性がよくわかる大会
この大会の個性が爆発する瞬間、それは「サーモンジャージ」授与の瞬間です。
サーモンジャージとは?
左下の写真を見てください。第1ステージの4賞ジャージですが・・・。
左上から時計回りに、総合リーダー、ポイント、新人、山岳賞です。
そう、アークティック・レース・オブ・ノルウェーでは山岳賞ジャージが「サーモンジャージ(salmon jersy)」と名づけられています。
そして、サーモンジャージ獲得者には、副賞としてノルウェー産サーモン500kgが贈られるそうです。さすがに、毎ステージ…じゃないよね? 毎日、鮭の特大ぬいぐるみと一緒にチケットみたいなのが贈られていたけど…。カミングスは3回もらってたけど…
こちらの記事では、メインの写真になってるのは最終的に山岳賞をとったオドクリスティアン・エイキング(第3ステージ優勝)。
エクストリーム観戦 + 鮭
険しい山の頂上をとらえる空撮。「さすがに、ここには観客いないでしょう」と実況が言うと、観客がいる。そして、観客が鮭を手に持って掲げている。
この大会のひとつの“お約束”になっていました。
山岳賞がサーモンジャージなのもそうですが、なぜ、山の上で鮭を持つのでしょうか。
軽く調べたのですが、ノルウェーの昔話で「川の浅瀬にあがってしまい苦しんでいる鮭をつかんで深いところまで戻してやる」というくだりのある話(タイトル「心臓を持たない巨人」)がありました。
なるほど。「それで、鮭を持ってるんだな」と自分を納得せざるをありませんでした。
もちろん、平地でも持っていました。
勝利者たちはこちら
マチューがすでに出ているので、第2ステージから簡単に。
第2ステージ:ブライアン・コカール(ブリアン・コカール)
ヴィタル・コンセプトに所属する、小柄なフランス人スプリンター 27歳。トラック競技選手でもあり、ロンドン・オリンピックのオムニアムで銀メダルをとっています。2015年には同種目で世界選手権制覇。
東京オリンピックのトラック競技も狙っているそうです!
第3ステージ:オドクリスティアン・エイキング
ワンティ・ゴベールに所属する、ノルウェー出身24歳のパンチャー。ciclissimoの「選手名鑑」によると、昨年のツール・ド・フランスは直前で落選してしまい出場できなかったそうです。今年はしっかり出場しました!
そして、このレースでは山岳賞を取得しました!
第4ステージ:マークス・ホーエルガード
ノルウェーのチーム、ウノX・ノルウェージャンデヴェロップメントの 24歳ノルウェー人選手。昨年のこの大会では総合2位、新人賞ジャージを獲得しています。
最終日にノルウェーチームのノルウェー人選手が勝ちました!
総合優勝:アレクセイ・ルツェンコ
最後の最後でバルギルとのタイム差をひっくりかえし、優勝したのはアスタナのアレクセイ・ルツェンコ。ポイント賞もとりました。
やったね!(やはりアスタナを応援している自分。性格がめちゃくちゃ明るそうなバルギルも好きなんですが)
ルツェンコについては、この記事もどうぞ「春のアスタナ祭り! スカルポーニに捧げる勝利―ティレーノ&パリ~ニース閉幕」
サーモンジャージはエイキング、新人賞は無愛想なインタビューで話題になったイスラエル・サイクリングアカデミーのクリッツ・ニーランズです。総合3位にもなりました!
表彰式:衛兵が隊列を組んでトロフィーを運ぶ
表彰式では、衛兵(ノルウェーは王宮がある)が盛大な行進でトロフィーを運んできました。
伝わるでしょうか… 下が表彰台から見た映像になります。ルツェンコ、バルギル、ニーランズが表彰台の上で待っています。
ちなみに、ウチではこの日、子どもたちと配信を見ていました。
この表彰式with衛兵のようすを、じーっと見ていた息子が、ひと言。
娘が丁寧につっこんでいました。
さああ。ブエルタ。この土日のうちになんとか追いつきそうです。
楽しみです!!