6月、終わっちゃいますね。A田です。
各国で、自転車ロードレースの国内選手権(ナショナル・チャンピオンシップ)が行われてますね。
来週、7月6日に開幕するツール・ド・フランスでは、新しいナショナル・チャンピオンたちがお目見えすることになるわけで、とても楽しみです!
というわけで、今回はナショナル・チャンピオンのデザインは誰が決めているの?などの豆知識と、2018年チャンピオンたちの現チャンピオンジャージをご紹介します。
6月末に各国で王者を決める選手権が行われる
この6月の最終週、タイムトライアルやパラサイクリングとともに、ロードレース女子、男子、U-23など年齢別に全日本選手権が開催されていますね。明日の最終日が、男子エリートロードレース。そして、各国でも同じような日程で開催されています。
J SPORTSではフランス選手権を放送・配信(22:00~)、全日本選手権もオンデマンド限定配信(12:00~)で見ることができます。
春先の怪我から復帰した、UCIワールドツアーチームの日本人ふたり、トレック・セガフレードの別府史之とバーレーン・メリダの新城幸也も全日本選手権のために帰国しており、先日男子エリートのタイムトライアルに出場しました。別府は3位。(宇都宮ブリッツェンの増田成幸が優勝!新城は7位)
ロードレースは基本チームプレイですが、このチームはもちろん、選手の所属チーム。なので、別府も新城も単騎でのレースになります。それでも、別府は2006年と2011年、新城は2007年と2013年と海外チームに所属しながらも優勝しています。どうなるでしょうかね~。
チームジャージへのアレンジには、各国競技連盟の許可が必要
自転車ロードレースの世界最高位に位置するUCIワールドチームには、世界最高のレーサーたちが集まっています。当然、各国の頂点に立ったナショナルチャンピオンがいっぱい集まることになります。
チャンピオンになったら、チームジャージにナショナルチャンピオンデザインを融合させた『特別ジャージ』を着用することになります。翌週のツール・ド・フランスが絶好のお目見えの機会なんですね。チーム側でも大体の予想をつけて、準備しているでしょうね。
ところで、そのデザインを「誰が決めているのか」ということについて、先日あったハンマーシリーズ・リンブルフのなかで解説の中野善文さんがお話されていました。デザインに対して権限を持っているのは国内選手権を主催している各国の競技連盟だということです。
厳格なイギリス、寛容なイタリア(ジャージのデザインの話)
たとえば、イギリスはもっとも厳しく、必ず規定のデザインに準拠しなければならず、アレンジは許されないのだということです。(中野さんのお話より)
2018年のイギリスロードレースチャンピオンは、アルケア・サムシックのコナー・スウィフト。
2017年のチャンピオン、ディメンション・データのスティーブン・カミングス。これはチームジャージに融合させる前のジャージだとは思いますが。
基本的なデザインは同じですよね。これを崩してはいけないようです。
逆に、わりとなんでも大丈夫。という例で出てきたのはイタリアでした。
ただ、過去にはNGが出たこともあったそうです。そのときは、イタリア国旗が建物の一部の模様として描かれていたそうです。(これも中野さんのお話)
マイナーな国のジャージには価値がない?
前述の中野さんのお話のなかで、「特別ジャージは手間がかかるから、嫌がるスタッフもいた」というのがありました。「フランス、イタリア、スペイン、ベルギー、オランダ。自転車ロードレース主要国以外のチャンピオンには価値がないから、獲ってくるな!」という人もいたとか。
中野さんも「今はそんなことないと思いますが」と言ってました。国際化の途上にあるロードレースですが、現状として主要国といえる国があることは、事実として否めません。
しかし、現在は、各国のチャンピオンをリスペクトして、特別ジャージが用意されていると信じています!
2018年の各国チャンピオンをご紹介します(ロードレース)
それでは、2018年の各国のチャンピオンたちをピックアップしてご紹介します。チームジャージをどうデザインしているか、チーム毎にご覧ください。
今回は、ロードレースです。もちろんタイムトライアル・チャンピオンもいるのですが、それはまた次の機会に…
ドゥクーニンク・クイックステップ(チーム国籍:ベルギー)
前述の“自転車主要国”らへんのチャンピオンたち。
(左から)イタリア:エリア・ビビアーニ(Elia Viviani)、ルクセンブルク:ボブ・ユンゲルス(Bob Jungels)、ベルギー:イヴ・ランパールト(Yve Lampaert)、デンマーク:ミケル・モルコフ(Michael Morkov)
マルコ・ファヴァロさんのジャージ・ファッションチェックでも、上位常連のクイックステップ。いい感じに融合させていますね!
マルコさんのファッションチェックの記事はこちら「マルコ・ファヴァロさんのファッションチェック:酷評のAG2Rと息子の思い出」
グルパマFDJ(フランス)
ほぼフランス人で構成されているグルパマFDJ。今年は栗村さんの「30人くらいいるFDJを単騎のアラフィリップ(=チームにほとんどフランス人がいない)がちぎっては投げて、フランスチャンピオンを取るかも」的な解説がありましたね。
しかし、多ければ多いで、同チーム内での葛藤(足のひっぱりあい)という苦労もあるそうですよ。
フランス:アントニー・ルー(Anthony Roux )
スイス:スティーブ・モラビト(Steve Morabito)
カナダ:アントワーヌ・デュシェーヌ(Antoine Duchesne)
FDJは、国旗を全身に配置するデザインですね。わかりやすい!
アスタナ・プロチーム(カザフスタン)
アスタナは基本的に、アスタナカラー(=水色=カザフスタンの空の色)のなかに国旗を配置するデザイン。ただし、ルツェンコは本拠地カザフスタンのチャンピオンなので白…なの?
スペイン:ゴルカ・イザギレ(Gorka Izagirre)、カザフスタン:アレクセイ・ルツェンコ(Alexey Lutsenko)
エリトリア:メルハウィ・クドゥスゲプレメドヒン(Merhawi Kudus Gebremedhin)
アフリカ各国のジャージもこれからは、増えていくでしょうね。
チーム・イネオス(イギリス)
2019年5月からスカイ→イネオスになり、ジャージも変わりました。クフィアトコフスキーのポーランド・チャンピオンジャージもデザインが変わりました。
ポーランド:ミハウ・クフィアトコフスキー
スカイ時代のデザインは、こちら。って、変わってませんでした。帽子もヘルメットも、白と赤でしつらえているのが、いい感じです。
黒ベースの集団のなかに白ベースで混じるので、とても目立ちます!
ボーラ・ハンスグローエ(ドイツ)
サガンは2015~2017まで世界選手権(10月に開催)を3連覇し、アルカンシェル(七色のジャージ)を着ていましたが、昨年はバルベルデにその座を明け渡し、祖国スロバキアのジャージを着ています。
スロバキア:ぺテル・サガン(Peter Sagan)オーストリア:ルーカス・ペストルベルガー(Lukas Postlberger)、ドイツ:パスカル・アッカーマン(Pascal Ackerman)
ボーラはさりげない国旗の配置ですが、イネオスと同じく黒ベースのなかの白ベースなので、目立ちます。まあ、ポイント賞など違う色のジャージになりがちなのですが…
ミッチェルトン・スコット(オーストラリア)
南アフリカ:ダリル・インピー(Daryl Impey)
ダリル・インピーもまた、黄色&黒軍団のなかに白ベースなので目立ちます。インピーは、ロードは2連覇、タイムトライアルは7連覇中です。
バーレーン・メリダ(バーレーン)
スロベニア:マテイ・モホリッチ(Matej Mohoric)
コレンドン・シルキュス(ベルギー)
オランダ:マチュー・ファンデルポール(Mathieu Van Der Poel)
シクロクロスの世界選手権もとってるんですよね。
ファンデルポールとシクロクロスの記事はこちら「アムステルゴールドレース-ファンデルポールの驚愕のゴールとシクロクロス」
今年の各国選手権ではどんな戦いが繰り広げられ、ツール・ド・フランスには誰がどんな装いで登場するのでしょうか?
楽しみです!