8月前半レース①-ビョルグ・ランブレヒトを偲んで、新世代の未来に期待して

7月と山の日3連休で大人の夏休みは終わり、お盆は平常運転のA田です。

欧州選手権ロードレース、面白かったですね! 英語実況で見ましたがなんとか…

今回は、8月前半の主なレースを振り返ってみました。ランブレヒトの死についても改めて記事にしています。

各レースの概要や過去の優勝者などはこちらの記事で「ブエルタが始まる―8月のJ SPORTS & DAZNロードレース放送・配信予定とレース概要

【クラシカ・サンセバスティアン】レムコ・イヴェネプール

8月3日に行われたワンデー・レース、クラシカ・サンセバスティアン。

バスク語では「Donostiako Klasikoa」というレース名です。「Donostiako」は、「サン・セバスティアンの」というバスク語。公式な都市名は「Donostia SanSebasutian」とスペイン語名称と2つをつなげたものなのだそうです。

Remco Evenepoel wins/wint Clasica San Sebastian 2019

はい、ドゥクーニンク・クイックステップのレムコ・イヴェネプール(エヴェネプール)が勝ちました!

「このレースで勝つことは大きな夢の一つだったんだ。まさか最初のチャレンジでこの夢を実現できてしまうなんて、信じられないほど素晴らしいことだ」

cyclowired.jp「 バスク最大の山岳クラシックで新星イヴェネプールが独走勝利

https://twitter.com/dklasikoa/status/1157698150574034954
男女一緒のポディウム。中央のふたりがベレー帽
@dklasikoa

イヴェネプールは2000年ベルギー生まれ、今年ドゥクーニンクに入り、史上最年少18歳でのワールドツアー・デビューを果たしました。6月の「バロワーズ・ベルギー・ツアー」ではプロ初勝利&総合優勝。ハンマーシリーズ・スタヴァンゲルでの活躍もありましたね。

2年前までサッカーをしていて、U15ベルギー代表のキャプテンをしていたことでも有名ですね。お父さんがパトリック・イヴェネプールという自転車選手で、レムコが自転車選手になることには反対していた、と聞いたこともあります。しかし、怪我から自転車競技に転向。あとは破竹の勢いです。

【ツール・ド・ポローニュ】パヴェル・シヴァコフ

7日間のステージレース。第3ステージでは、ロット・ソウダルのビョルグ・ランブレヒトが事故で亡くなるという悲しい出来事がありました。第4ステージはランブレヒトを追悼するニュートラル走行となりました。

ビョルグ・ランブレヒトを偲んで

公式の追悼ビデオです。

Tribute to Bjorg Lambrecht #ForBjorg

「143」はランブレヒトが付けていたゼッケン番号。沿道で多くの人たちが、「143」やベルギー国旗を掲げていました。

再掲になりますが、ランブレヒトは4月に22歳になったばかり。昨年の世界選手権ロードレースU23カテゴリで銀メダル。今年の春のクラシックもアムステルゴールドレース6位、フレッシュ・ワロンヌ4位。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは総合12位でヤングライダー賞を獲得していました。

https://twitter.com/lotto_soudal/status/1160499992827715584?s=21
#ForBjorgで多くの人が思いをつづりました
@Lotto_Soudal

あらためて、ビョルグ・ランブレヒトのご冥福をお祈りします。

来年以降「143」がどうなるかは分かりませんが、
ツール・ド・ポローニュにおいて大切な数字になったことは間違いありません

レース、練習中の事故による選手の死はしばしばあり、決して安全な競技ではないロードレース。そうしたリスクも内包してのこの競技だとも思うのですが、安全対策もより進んでいくことを願います(今回の事故が安全対策が足りない結果だというわけではなく、もっと将来的な発明的な何かで)。私もそのために何かしたく…メーカーに投資するとか…ただそれも今は無理なので…、ささやかすぎますが、せめて記事にして残しておきたいと思います。

ツール・ド・ポローニュ結果一覧

第5レース以降も、ロット・ソウダルのメンバーはレースの続行を選択。リザルトは以下のようになりました。

St.コースステージ優勝総合順位
1平坦132kmパスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)1.アッカーマン
2.ガビリア
3.ヤコブセン
2平坦153kmルカ・メスゲッツ(ミッチェルトン・スコット)1.アッカーマン
2.プラネ
3.ガビリア
3平坦150.5kmパスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ)1.アッカーマン
2.ガビリア
3.メスゲッツ
4135kmなし変動なし
5丘陵154kmルカ・メスゲッツ(ミッチェルトン・スコット) 1.アッカーマン
2.メスゲッツ
3.ベン・スウィフト
6山岳160kmヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)1.ヴィンゲゴー
2.シヴァコフ +0:04
3.ヒンドレー +0:06
7山岳153kmマテイ・モホリッチ(バーレーン・メリダ)1.シヴァコフ
2.ヒンドレー +0:02
3.ウリッシ +0:12

総合優勝は、イネオスのパヴェル・シヴァフ。7月に22歳になったばかりのロシア人クライマー。今年のジロ・デ・イタリアで総合9位、途中で新人賞ジャージも着ました。

https://twitter.com/Tour_de_Pologne/status/1160057005937242112?s=20
総合優勝のパヴェル・シヴァコフ
@Tour_de_Pologne

この勝利を他の誰でもなく彼(ランブレヒト)に捧げたい。彼と一緒に走ったレースを思い浮かべながら走った。彼はいつも厳しいレースを作り出した。この勝利を彼に捧げる」

cyclowired.jp「ポーランド最終日にモホリッチ独走勝利 シヴァコフが逆転総合優勝に輝く

シヴァコフとランブレヒトは同い年。ちなみに、第6ステージで勝利したヨナス・ヴィンゲゴーも22歳。彼もまたランブレヒトへの思いを語りました。

https://twitter.com/Tour_de_Pologne/status/1159547359497527299?s=20
天を指差してゴールするヴィンゲゴー
@Tour_de_Pologne

「明日はこのリーダージャージを守りたいと思う。今日のように難しいステージになると思う。この勝利はランブレヒトに捧げたい。あんな風に同僚を亡くしただなんてまだ信じられない。彼のことを誇りに思うよ」

cyclowired.jp「タフステージでネオプロのヴィンゲゴーがプロ初勝利 総合首位に浮上

もちろん、第7ステージの勝者マテイ・モホリッチも、すべての選手がランブレヒトに祈りを捧げています。

https://twitter.com/Tour_de_Pologne/status/1160052822391611392?s=20
超若いと思っていたモホリッチも今年25歳になる
@Tour_de_Pologne

総合2位のサンウェブのジェイ・ヒンドレーも23歳になったばかり。若い選手の台頭を感じますね。(あと、全然言及できなかったアッカーマン、メスゲッツ申し訳ない)

【欧州選手権タイムトライアル】レムコ・イヴェネプール

欧州選手権、個人タイムトライアルでもレムコ・イヴェネプールが勝ちました! すごいな…

世界選手権と同じく、欧州選手権も国別の参加になります。ベルギー・ナショナルチームの同僚として、ビョルグ・ランブレヒトに勝利を捧げました。

https://twitter.com/belcyclingteam/status/1159481110419652608?s=21
表彰台で涙を流したレムコ
@BELCyclingTeam

実は今年もうひとり、ステフ・ルースという同期の選手がレース中の事故で亡くなっていたのだそうです。

「彼ら二人に勝利を届けるために全力を尽くした。彼らを思う気持ちがウォーミングアップでもレース中でも僕を加速させてくれたんだ。この勝利は僕のものではなく、彼らのもの。今日は空の星のために走った。今日は天国にいる彼らのために走ったんだ

cyclowired.jp「イヴェネプールがヨーロッパ選手権個人TTで勝利 女子はファンダイク

スタート前のレムコの覚書
@BELCyclingTeam

強い思いが力になることを、レースはしばしば教えてくれます。

気軽に「自分もがんばろう」なんて言えないですが…

自分もがんばります。

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