7月と山の日3連休で大人の夏休みは終わり、お盆は平常運転のA田です。
欧州選手権ロードレース、面白かったですね! 英語実況で見ましたがなんとか…
今回は、8月前半の主なレースを振り返ってみました。ランブレヒトの死についても改めて記事にしています。
各レースの概要や過去の優勝者などはこちらの記事で「ブエルタが始まる―8月のJ SPORTS & DAZNロードレース放送・配信予定とレース概要」
【クラシカ・サンセバスティアン】レムコ・イヴェネプール
8月3日に行われたワンデー・レース、クラシカ・サンセバスティアン。
バスク語では「Donostiako Klasikoa」というレース名です。「Donostiako」は、「サン・セバスティアンの」というバスク語。公式な都市名は「Donostia SanSebasutian」とスペイン語名称と2つをつなげたものなのだそうです。
はい、ドゥクーニンク・クイックステップのレムコ・イヴェネプール(エヴェネプール)が勝ちました!
「このレースで勝つことは大きな夢の一つだったんだ。まさか最初のチャレンジでこの夢を実現できてしまうなんて、信じられないほど素晴らしいことだ」
cyclowired.jp「 バスク最大の山岳クラシックで新星イヴェネプールが独走勝利 」
イヴェネプールは2000年ベルギー生まれ、今年ドゥクーニンクに入り、史上最年少18歳でのワールドツアー・デビューを果たしました。6月の「バロワーズ・ベルギー・ツアー」ではプロ初勝利&総合優勝。ハンマーシリーズ・スタヴァンゲルでの活躍もありましたね。
2年前までサッカーをしていて、U15ベルギー代表のキャプテンをしていたことでも有名ですね。お父さんがパトリック・イヴェネプールという自転車選手で、レムコが自転車選手になることには反対していた、と聞いたこともあります。しかし、怪我から自転車競技に転向。あとは破竹の勢いです。
【ツール・ド・ポローニュ】パヴェル・シヴァコフ
7日間のステージレース。第3ステージでは、ロット・ソウダルのビョルグ・ランブレヒトが事故で亡くなるという悲しい出来事がありました。第4ステージはランブレヒトを追悼するニュートラル走行となりました。
ビョルグ・ランブレヒトを偲んで
公式の追悼ビデオです。
「143」はランブレヒトが付けていたゼッケン番号。沿道で多くの人たちが、「143」やベルギー国旗を掲げていました。
再掲になりますが、ランブレヒトは4月に22歳になったばかり。昨年の世界選手権ロードレースU23カテゴリで銀メダル。今年の春のクラシックもアムステルゴールドレース6位、フレッシュ・ワロンヌ4位。クリテリウム・ドゥ・ドーフィネでは総合12位でヤングライダー賞を獲得していました。
あらためて、ビョルグ・ランブレヒトのご冥福をお祈りします。
レース、練習中の事故による選手の死はしばしばあり、決して安全な競技ではないロードレース。そうしたリスクも内包してのこの競技だとも思うのですが、安全対策もより進んでいくことを願います(今回の事故が安全対策が足りない結果だというわけではなく、もっと将来的な発明的な何かで)。私もそのために何かしたく…メーカーに投資するとか…ただそれも今は無理なので…、ささやかすぎますが、せめて記事にして残しておきたいと思います。
ツール・ド・ポローニュ結果一覧
第5レース以降も、ロット・ソウダルのメンバーはレースの続行を選択。リザルトは以下のようになりました。
St. | コース | ステージ優勝 | 総合順位 |
1 | 平坦132km | パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ) | 1.アッカーマン 2.ガビリア 3.ヤコブセン |
2 | 平坦153km | ルカ・メスゲッツ(ミッチェルトン・スコット) | 1.アッカーマン 2.プラネ 3.ガビリア |
3 | 平坦150.5km | パスカル・アッカーマン(ボーラ・ハンスグローエ) | 1.アッカーマン 2.ガビリア 3.メスゲッツ |
4 | 135km | なし | 変動なし |
5 | 丘陵154km | ルカ・メスゲッツ(ミッチェルトン・スコット) | 1.アッカーマン 2.メスゲッツ 3.ベン・スウィフト |
6 | 山岳160km | ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ) | 1.ヴィンゲゴー 2.シヴァコフ +0:04 3.ヒンドレー +0:06 |
7 | 山岳153km | マテイ・モホリッチ(バーレーン・メリダ) | 1.シヴァコフ 2.ヒンドレー +0:02 3.ウリッシ +0:12 |
総合優勝は、イネオスのパヴェル・シヴァフ。7月に22歳になったばかりのロシア人クライマー。今年のジロ・デ・イタリアで総合9位、途中で新人賞ジャージも着ました。
「この勝利を他の誰でもなく彼(ランブレヒト)に捧げたい。彼と一緒に走ったレースを思い浮かべながら走った。彼はいつも厳しいレースを作り出した。この勝利を彼に捧げる」
cyclowired.jp「ポーランド最終日にモホリッチ独走勝利 シヴァコフが逆転総合優勝に輝く」
シヴァコフとランブレヒトは同い年。ちなみに、第6ステージで勝利したヨナス・ヴィンゲゴーも22歳。彼もまたランブレヒトへの思いを語りました。
「明日はこのリーダージャージを守りたいと思う。今日のように難しいステージになると思う。この勝利はランブレヒトに捧げたい。あんな風に同僚を亡くしただなんてまだ信じられない。彼のことを誇りに思うよ」
cyclowired.jp「タフステージでネオプロのヴィンゲゴーがプロ初勝利 総合首位に浮上」
もちろん、第7ステージの勝者マテイ・モホリッチも、すべての選手がランブレヒトに祈りを捧げています。
総合2位のサンウェブのジェイ・ヒンドレーも23歳になったばかり。若い選手の台頭を感じますね。(あと、全然言及できなかったアッカーマン、メスゲッツ申し訳ない)
【欧州選手権タイムトライアル】レムコ・イヴェネプール
欧州選手権、個人タイムトライアルでもレムコ・イヴェネプールが勝ちました! すごいな…
世界選手権と同じく、欧州選手権も国別の参加になります。ベルギー・ナショナルチームの同僚として、ビョルグ・ランブレヒトに勝利を捧げました。
実は今年もうひとり、ステフ・ルースという同期の選手がレース中の事故で亡くなっていたのだそうです。
「彼ら二人に勝利を届けるために全力を尽くした。彼らを思う気持ちがウォーミングアップでもレース中でも僕を加速させてくれたんだ。この勝利は僕のものではなく、彼らのもの。今日は空の星のために走った。今日は天国にいる彼らのために走ったんだ」
cyclowired.jp「イヴェネプールがヨーロッパ選手権個人TTで勝利 女子はファンダイク」
強い思いが力になることを、レースはしばしば教えてくれます。
気軽に「自分もがんばろう」なんて言えないですが…
自分もがんばります。