子供と自宅待機、明日から4週目です。A田です。
世界的に新型コロナウイルスの拡大が急速に進み、欧州やアメリカの一部で外出禁止が発令され、厳戒体制になっています。
当然、自転車レースは軒並み開催中止(延期)。フランドルクラシックはもちろん、春のモニュメントもアルデンヌクラシックも5月のジロ・デ・イタリアも中止(延期)が決まっています。ツール・ド・フランスだって開催されるかわかりません。世界的な危機なので仕方のないことですが、残念ですorz
こうなった今、先週までパリ〜ニースが開催されていたことが信じられません。とにかく残りの第6、第7ステージをまとめておこうと思います。
こちらの記事の続きです
動かなかった順位とは裏腹に、激動のレース展開でした!
あと、前回の記事で「ニースに近づいても結局寒い」と書いてしまいましたが、最後2ステージはかなり暖かそうでしたね。
1日目から7日目まで、黄色ジャージを守り切ったシャフマンだが…
各ステージ結果の一覧です。第8レースはコロナウイルス感染拡大のため、第6ステージの日に第7ステージで開催中止になると発表されました。
日程 | Stg | コース | ステージ優勝 | 総合順位 |
3/8(日) | 1 | Plaisir > Plaisir 丘陵 154km | マクシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ) | 1.シャフマン 2.トゥーンス 3.ベノート 4.アラフィリップ +3 |
3/9(月) | 2 | Chevreuse > Chalette-sur-Loing 平坦166.5km | ジャコモ・ニッツォーロ(NTTプロサイクリング) | 1.シャフマン 2.ニッツォーロ 3.ストゥイベン |
3/10(火) | 3 | Chalet the-sur-loing > La Chatre 平坦212.5km | イヴァン・ガルシア(バーレーン・マクラーレン) | 1.シャフマン 2.ニッツォーロ 3.ストゥイベン |
3/11(水) | 4 | Saint-Amand-Montrond > Saint-Amand-Montrond 個人TT135.8km | セーアン・クラーウアナスン(サンウェブ) | 1.シャフマン 2.クラーウアナスン +58 3.グロスチャートナー +1:01 |
3/12(木) | 5 | Gannet > La Cote-Saint-Andre 平坦227km | ニッコロ・ボニファツィオ(トタル) | 1.シャフマン 2.クラーウアナスン +58 3.グロスチャートナー +1:01 |
3/13(金) | 6 | Sorgues > Apt 丘陵161.5km | ティシュ・べノート(サンウェブ) | 1.シャフマン 2.べノート +36 3.イギータ +1:01 4.グロスチャートナー +1:01 |
3/14(土) | 7 | Nice > Valdeblore La Colmiane 山岳166.5km | ナイロ・キンタナ | 1.シャフマン 2.べノート +18 3.イギータ +59 |
3/16(日) | 8 | Nice > Nice 丘陵113.5km | 中止 | 中止 |
第6ステージ:べノートが快勝!シャフマンはゴール間近で落車
この日、バーレーン・マクラーレンがレースから撤退。そして翌日の第7ステージでレースが終了することが発表されました。
サンウェブからはアルント、クラーウアナスン、べノートと次々とアタックして逃げに追いつくという、なんですか波状攻撃?
チームのバックアップを得てライバルたちを蹴落とし、ステージ優勝したのはティシュ・べノート!
「とても調子が良いので最終日まで開催されないのは残念だけど、ステージ優勝は素直に嬉しい。1日中ずっと強度が高くて、持久戦のような今日のようなステージが好き。チームメイトたちは全員がそれぞれ素晴らしい走りをしている。明日も今日のように攻撃を続けたい」「クラシックレースに向けて良いトレーニングを積んでいただけに、相次いでレースがキャンセルになって本当に残念」
cyclowired.jp パリ〜ニース2020第6ステージ「バーレーンが撤退し、最終日中止決定のパリ〜ニース 独走したベノートが総合2位浮上」
今日みたいなタフなレースが好きだというべノートは、ベルギーのヘント出身、3月11日に26歳になったばかりだったんですね。(3月11日はクラーウアナスンがTTで勝った日ですね)
2018年にストラーデ・ビアンケで優勝しています。今季、ロット・ソウダルからサンウェブに移籍。ciclissimoNo.62(選手名鑑)によると、TT強化のためにサンウェブに来た、とのこと。なんかもう、楽しみですね。
さらにこの日のステージ2位は、サンウェブのマイケル・マシューズ。ステージ順位によるライバルたちのボーナスタイムをしっかり消しました。
シャフマンが落車!救済措置でタイム差はどうなった?
ところで総合首位のシャフマン。この日、残り約1km、テクニカルな下り坂で落車してしまいました。
ステージ1位のべノートからは、40秒遅れでゴール。しかし、ゴール3km以内の落車ということで救済され、2位グループと同じ22秒差のゴールに修正されました。
救済措置って、集団落車みたいな巻き込まれ以外の落車でも発動するの? と思わなくはなかったですよね。ルールはルール、というやつでしょうか。
この日シャフマンが失わなかった18秒が、最終日、どう出るのでしょうか。
第7ステージ:キンタナが貫禄の勝利!総合争いは…
豪華な逃げ集団からの、トマス・デヘントのひとり逃げ。からの、ナイロ・キンタナのアタック!
デヘントをさらっとかわして、キンタナが鮮やかな独走勝利!
「パリ〜ニース最終日の最終山岳をアグレシッブなスタイルで獲りたかった」「今日はモチベーションも高く、積極的な走りができた。逃げグループの後ろでチームメイトたちが完璧な仕事をしてくれたので僕も続く必要があったんだ。第3ステージの落車で総合優勝は遠のいてしまったけれど、その分ステージ優勝に目標を切り替えて狙い続けていた。今日の勝利はチーム全員で勝ち取ったものだ」
cylowired.jp パリ〜ニース2020第7ステージ「キンタナがクイーンステージ制覇 猛攻を凌いだシャフマンがキャリア最大の勝利を掴む」
今季、アルケア・サムシックに移籍したキンタナ。ツール・ド・プロヴァンス、ツール・ド・アルプスと連勝、活躍が見れて嬉しいです。
べノート届かず、シャフマン総合優勝!!
さらに、総合2位でポイント賞ジャージを着たべノートがアタックしての2位。シャフマンから12秒を奪いさらにボーナスタイムで、18秒差に迫りました(ん…?)。
が、総合優勝はシャフマンの手に!! ゴール後は倒れ込んでいました。
「パリ〜ニースで総合優勝だなんて素晴らしい気分だけど、それよりもとにかく厳しい一日だった。フェリックス、パトリック、そしてミカエルの3人自らレースを作ってくれた。終盤、特に残り3kmからは、正直言って苦痛でしかなかった。地獄に向かうような気分だったよ」
「でも、今は天国にいる気分さ。脚に感じる小さな痛みも全てそれに値するものだ。プロ4年目で掴んだ今回の勝利は僕にとってこれまでで最も重要で大きなステップになる。今までずっと総合系選手になれるかどうか疑問だったし、そうなることが夢だったから。今僕は最も価値のある1週間のステージレース総合優勝を手にしたんだ」
同上
本当に、大きなチャンスをものにしたと思います。
たとえば下の記事では、「7チームもの欠場がなかったらシャフマンは優勝していなかっただろう」とずばり評されています。
sbs.com.au”Paris-Nice 2020: Strange but entertaining”
そうかもしれないけど、総合優勝は総合優勝です。
そういう意味では、べノートは大きなチャンスを逃してしまいました。シャフマンの落車救済云々もありますが、それは仕方ないとして。第2ステージの横風と第5ステージのTTで、それぞれ約30秒ずつタイムを失ってしまったのが痛かった、と月チャリで飯島誠さんが言っていました。
シャフマンがインタビューで「総合系になりたかった」と言っていましたが、べノートもチームからグラン・ツールライダー(総合系)に、という期待をかけられて成長の途上にあるようです。
シャフマンもべノートも同じ26歳。これから応援したくなります!
今年、どれだけレースを見られるかわかりませんが…平穏な世界に戻ることを望みつつ、そのためにできるだけのことをやって過ごしていきたいと思います。
がんばりましょう!