A田です。まずい、末っ子の誕生月のうちにと思ってたのに。
4年前、ツールドフランスと同じ日程で苦しみながら産んだ末っ子。節目のこの年(オリンピックイヤー的な意味で)、ツールを振り返りつつ自分の出産も振り返ってみようと思いました。
その1はコチラの記事
地獄の2週目、始まります。
異変は休息日の夜に起きた
1週目終了時点で、末っ子の出産予定日まで2週間をきっていた私。
予定日3週間前から「いつ産んでもOK」という正期産という状態になりまして、私にも順調に兆候が出ていました。夜になると前駆陣痛という準備運動的な陣痛があったわけです。←ためになる出産に関する知識
なにしろ胎児が大きくて、息をするだけで苦しい状態。この時期の私にとって、出産とは解放でした。
胎児に早く出てきてもらいたい。その一心で毎日ウォーキングしまくっていました。そんなある日。
忘れもしません。月曜日、ツールでは1回目の休息日の夜でした。
ちょっと風邪気味だった私は、早めに寝ていました。
陣痛を吹き飛ばした耳の激痛
夜中、前駆陣痛がきましたが「陣痛どんどん強くなって出産になっちゃって」と思っているので、痛くても嬉しさしかありませんでした。しかし。
突然、
ザーーーーーッ
轟音とともに耳に激痛が。前駆陣痛とかいう雑魚はどこかに飛んでいきました。そのままひと晩中耐えたと思うのですが、記憶が曖昧です。とにかく転げまわりたいところ、お腹が邪魔で転がれなかったことだけ鮮明に覚えています。
大人の中耳炎
翌朝耳鼻科に行くと、中耳炎と診断されました。
子どもにはメジャーな病気ですが、大人はちょとレア。中耳炎は鼓膜の内側の中耳に細菌が入り膿がたまる病気ですが、細菌は耳と鼻を繋ぐ耳管を通ってくることが多い。なので、耳管が太く短く傾斜していない子どもはなりやすく、耳管が細く長く傾斜している大人はなりにくいのだそうです。
しかし、ひとたび中耳炎になってしまうと、中耳が広い大人は重症化しやすい、と。←ためになる豆情報
2016ツール2週目の事件その1:フルームがサガンと逃げる
というわけで、何度か耳鼻科に通い鼓膜にチューブを通して膿を出したりと、HPを削られるだけ削られた私。
癒してくれたのは、こんなレースでした。
第11ステージ。平坦だけど強風。横風分断が幾度となく行われるタフなレース。
終盤、なんとマイヨジョーヌを着たフルームとチームメイトのゲラント・トーマス、サガン、チームメイトのボドナールの4人が逃げ。サガンはステージ勝利し、フルームはキンタナ含むライバルからタイムを奪いました。
「ベルギーあたりのベテラン観戦者にはたまらない展開」と栗村さんが言っていた気がしますが、日本の観戦初心者(しかしフルームファン)の私にも超響ました。
中耳炎でしょげている妊婦をロードレースが元気付けてくれたのです。
しかし。ロードレースの魔物的な何かがいたとしてですよ。そいつは、なんにせよやりすぎなんですよ。
2016ツール2週目の事件その2:フルームが走った
翌日の第12ステージ。「魔の山」といわれるモンヴァントゥーの山頂ゴール。しかし、この日も強風で、ゴール地点が6km手前に変更されました。そうして観客の密度が増したことが、この日の未曾有のトラブルの遠因になりました。
当時、総合2位のアダム・イェーツのコメントもあり↓6分以降がモンヴァントゥーの総合争い
詳しい展開はこちらの記事で
フルームのランニング 観戦マナーと管理体制が問われるモンヴァントゥーの混沌( ツール・ド・フランス2016第12ステージ現地レポートby綾野 真) / cyclowired
中耳炎に負けず、リアルタイムで見てたと思います。
情報がない中で走るフルームの映像が届いた時は「誰かにバイクを奪われたのでは」という憶測もありました(私の妄想だけじゃなく、解説者の人も「まさか」的な発言をしてた)。観客からの嫌がらせ的なトラブルが多かったフルームだったので。
フルームへの救済措置があり、落車しながらも最小限のロスでゴールできたモレマと同タイムとなりました。
しかし。上の動画で「Just gonna try」と笑うアダム・イェーツは爽やかでかっこいいですが、私は「もっと総合勢に差をつけられたはずなのに」と悔しかったです。
というか、これでびっくりして生まれてたら面白かったのにね。
もうそういうことにしちゃおうかな
いや、まだまだ。
3週目、さらなる悲劇が
ヒントは、耳鼻科に行ったことによる◯◯◯◯。
3週に続きます。